馬を休ませる神秘の滝

誰も気付かない山深いところに
神秘の滝、駒止の滝がある。
冬になって葉が落ちなければ
見ることのできない隠れ滝。

馬に乗って旅をしていた昔々。
険しい那須連山を登る前に
ちょっと馬を休めさせ、
滝壺で水を飲ませたのだ。

今やこの神秘の駒止の滝も
観瀑台が作られ常に眺められる。
春の新緑のときも美しいが
秋の紅葉時は一幅の絵画。

上段にある小さな滝壺から
清廉な水が断崖を一気に落ちる。
下段の滝壺は水紋の輪を描く。
ブルーグレーの水晶のよう。

カエデの燃えるような赤、
ブナの葉の黄色の狭間に
清く落下する水の精霊たち。
舞い上がる飛沫に享楽。