曲がりくねった長い道
ハワイからリリコイさんがやってきた。
彼女のnoteの仲間、ゲンさん、イリーナさん、
ふささんも東京駅の椿屋珈琲にやってきた。
大正時代に戻ったようなカフェにボクらはいた。
リリコイさんの声は小さいけれど、
精気がみなぎっていてよく聞こえる。
昔聴いていた音楽を最近よく聴くという。
その中にビートルズの曲があった。
「The Long and Winding Road」
この曲を聴いて心に染みてしまい、
何度も聴いてその度に涙してしまう。
リリコイさんはそんなことを言うのだ。
この歌は最後2回同じフレーズを繰り返す。
♬ But still they lead me back to the long winding road
You left me standing here a long, long time ago
Don't keep me waiting here, lead me to your door ♬
このラストフレーズを訳してみよう。
♬ それでもまだ僕を長く曲がりくねった道に戻してくれる
君はずっと昔、僕をここに立たせたままにしておいたよね
僕をここに待たせないで、僕を君の扉まで導いておくれ ♬
この曲はビートルズのラストアルバム“Let It Be”に収録されている。
ジャケットは4人の集合写真でなく、一人ひとりの顔。
レノン=マッカートニー名義の曲だが、バンドが仲間割れして
田舎に逃げていた焦燥のポール・マッカトーニーが作った曲。
「僕らは曲がりくねった道を歩いてきた。
君は僕を置き去りにして行ってしまったけれど、
いつかまた君と一緒に元来た道を歩けるよね」
ポールがレノンに思いを馳せた曲にも思える。
リリコイさんはアメリカ人と結婚して英語がわかる。
「若い頃はこの曲、何を言ってるかわからなかった。
でも今はこの曲の持つ意味がわかるようになったの。
何度聴いても泣いちゃう、でも何度も聴いちゃうのよ」
リリコイさんの人生は曲がりくねっていたのか?
大好きだった人に置き去りにされたのだろうか?
でもきっとまた同じ曲がりくねった道を歩むのか?
老齢に達した今、再び歩みたいと願っているのだろうか?