黄金銀杏
いちょうがこれほど美しいと思ったことはなかった。
昼下がり、病院に行く道すがら、
小さな公園のいちょうが金色に輝いていた。
太陽はいちょうの背後にあった。
太陽の光線がいちょうの黄色の葉を照らしている。
風が優しく吹いていて、いちょうの葉が揺れて、
キラキラと黄金の薄紙が一斉に煌めくよう。
逆行のなのに眩しくなく綺麗ないちょうを眺められた。
いちょうは銀杏と書くけれどなぜだろう。
黄金のいちょうなのだから金杏と書くべきだろう。
ぎんなんも焼けば緑から黄金色に変わるではないか。
黄金の銀杏、金色に輝くいちょうの樹、金杏*だ。
逆光に 輝くいちょう 黄金の
遠いあなたの 柔らかい髪 京太郎
しばらくぼうっと夢の中にでもいるように
金色のいちょうに見惚れていた。
いちょうの黄葉は金の宝のような葉の色。
きっと平安時代の人も愛でていたい違いない。
*金杏はきんなんと呼び、金色に輝くぎんなんのことをいったり、金杏をきんきょうと呼ぶ、干しあんずの食品名でもあるようです。