「消化するアヒル」

「消化するアヒル」という
奇妙なオートマタを知った。
ゼンマイ仕掛けのアヒルが
首を振りながら餌を食べ、
中が見える胴体を餌が通り、
排泄するまでがわかる仕組み。

フランス・グルノーブル生まれの
ジャック・ド・ヴォーカンソンが
1738年に作った西洋からくりだ。
食べたものを排泄するアヒルは、
羽根を羽ばたかせることもでき、
当時の人々の人気を博した。

この「消化するアヒル」の
実際の動きを見たいと思ったら、
レプリカでの動画*を見つけた。
火を吹き消したり、
餌を啄んだりと細かく動く。

排泄物はダイヤのような
輝くもので美しい。
可愛い人形でなく動物で
しかも排泄行為を見せる、
皮肉屋のフランス人らしい
オートマタであった。

*動画はhttp://www.kotaro269.com/articles/35311.htmlで。