大晦日、歳神様と芝浜

大晦日である。
大つごもりとも言う。
家を守ってくださる歳神様が
年の初めからいらっしゃるので
大晦日から年籠もりしてお迎えする。
歳神様は元旦も家で過ごされるので
家主はおもてなしをするのである。

大晦日の年越しの夜は除夜。
歳神様をお迎えするために
除夜は寝ないで起きていること。
早く寝ては白髪になる、
皺がよると言われている。
家で年越し蕎麦を歳神様と頂き、
新年をお祝いしたい。

騒がずに落ち着いて
大晦日によく演じられた
古典落語の名作、
「芝浜」でも聞きながら
夫婦の情愛に心を温めたい。
夫が罪人になってはいけないと
拾った財布を隠した妻の話。

財布を拾ったことを夢と言われ、
酒好きの夫は心を入れ替えて働き、
遂に店を持つまでになった。
酒を勧める女房に一度は
「呑むとするか」と言う夫。
しかし、オチはこの台詞、
「よそう、また夢になるといけねえ」
おあとがよろしいようで。