講義「フランスの芸術」
武蔵大学での授業が
本格的に開始された。
人文学科の「フランスの芸術」。
先生は瀧本みわ准教授。
東京芸大で西洋美術史を学び、
古代ローマが専門のようだが、
絵画の造詣が異常に凄い!
19世紀のフランス美術史、
まずは18世紀末から
19世紀初頭にかけての新古典主義。
ジャック・ルイ・ダヴィッドの
「ホラティウス兄弟の誓い」で、
美術作品の見方や考え方を
技法・様式・図像・主題から学ぶ。
ローマ共和国の忠誠を描いた絵で、
フランス革命の足音が近づく時、
ルイ16世は絶対王権を民に
示すものとしてダヴィッドに描かせた。
しかしルイ16世は革命によって
マリー・アントワネットと共に
ギロチンにかけられたのである。
この絵の様式は古典主義に倣っている。
技法はロココ時代の筆のタッチがあり、
背景を暗くし前景の人物を際立たせている。
遠近法が使われ中央の人物に焦点が当たり、
男性は直線的に力強く女性は曲線で優しい。
男性は戦争に赴き、女性は悲しみに暮れる。
絵画を分析して記述するのが授業の目的。
ダヴィッド自身は革命時には人民側に立ち、
革命後には皇帝ナポレオンを描いている。
芦毛の愛馬に騎乗した「サン・ベルナール峠を
越えるボナパルト」が好きだ。
「ナポレオン一世の戴冠式と
皇妃ジョセフィーヌの戴冠」は
オペラの一場面のような壮大さだ。
授業ではこのダヴィッドの絵画と
ピカソの「ゲルニカ」との比較を
述べよとも先生は課題を出した。
新古典主義とキュビズム、
この違いを明確にするのは難しい。
もっともっとこの授業によって
絵画鑑賞の力を蓄えたい。