亡き母の君子蘭

亡くなった母が
大事にしていた
君子蘭が枯れて
根だけになっていた。
母と一緒に花も
死んだと思っていた。

母思いだった妹は
捨てずに世話をした。
すると芽が出てきて
4年目のこの春に
とうとうオレンジ色の
見事な花を咲かせた。

君子蘭の花言葉は
「誠実」「貴い」
「情け深い」だけど
本当の母はそんな
人だったのだろうか。

妹は咲いた花を見て
涙が出てきちゃうと言う。
母が君子蘭になって
蘇ってきた気がするのだろう。
死んでいたと思っていた
君子蘭が煌煌と咲いている。