あざ笑い
ぼくの高校は
頭のいいやつが多かった。
また嫌なやつも多かった。
自分が他のやつよりも
頭がいいと思いたかったのか、
他人を見下すヤツもいた。
そういうヤツがやるのは
「せせら笑い」だ。
あざ笑うのだ。
鼻の先であざけり笑う。
相手をさげすみ冷ややかに笑う。
それも何人か集まって
せせら笑うのだ。
にやにやと意味ありげに
人の顔を見てあざ笑う。
いじめだった。
心が凍った。
行き場のない怒り
情けなさがこみ上げる。
あざけられるのなら
殴られた方がましだ。
殴り返せるからだ。
でも、せせら笑いは
返してみても虚しい。
今も思い出す
よってたかってのせせら笑い。
悔しさが蘇ってくる。
あの時のみじめさは
一生心の傷として残るのだろう。
でもそいつらはきっと忘れている。
同窓会では笑顔で近寄ってくる。
気持ちの悪さは極限を超える。
ああ、今も涙が出そうだ。
あいつらのあのせせら笑い。
さげすみのあざ笑い。
もう二度と思い出したくはない。
哀しくやるせない思い出。
でも、もう忘れよう。
胸の内にしっかりとしまって
鍵をがっちりとかけよう。
消して蘇ってこないように。