宮沢賢治と共感覚
日大芸術学部の教授、
ソコロワ山下聖美先生は
宮沢賢治は共感覚を持つ
作家だったという。
共感覚とは一つの刺激に
複数の感覚が反応することで
文字に色や音に形が見えたり、
色に味がしたりすることだ。
賢治は岩手の自然に入り、
空や雪や星や草木など、
五感で感じたものを
言葉にしていった。
夕方から夜の世界、
地上から宇宙の世界、
生から死の世界での
感じたものを顕した。
何かが賢治に降りてきて、
そのまま言葉になっていく。
自分が書くのではなく、
書かされている感覚。
風が語り月や星が話し、
音楽を奏で色を付ける。
自然と時間を共有し、
その空間を楽しめた。
賢治が書いた世界は
人々にはわかりにくい。
それは賢治も同様だった。
自分が書いたのにわからない。
手が自然に動いたものだから。