鯨の髭
フランス王妃で
当時のファッションリーダーだった
マリー・アントワネットは
多彩な模様の傘をさすのが好きだった。
その傘の柄は強くで軽く弾力がある
鯨の髭で作られていた。
アントワネットが傘を収集したことで
世界中の髭鯨が乱獲され、
絶滅の危機に瀕すると言われたほどだ。
とはいえ、鯨の骨で傘を作っていたとは驚き。
和傘の絵は竹が使われていたが、
日傘にもする西洋では鯨の髭が重宝されたのだ。
鯨の髭は軽量の金属や
プラスティックに替わったが
今もパリの老舗店では鯨の髭を使った
傘を作っているところがあるそうだ。
昔も今もとても高価なものだが、
傘が持つ優雅な雰囲気は格別だ。
鯨の髭はクリノリンという
スカートをふわりと大きく広げる
骨組みの下着にも使われた。
ナポレオン3世の美しい妻、
ウージェニー妃が流行らせたスカート。
彼女の肖像画はとても麗しい。