ベーレントのアランフェス
初めて「アランフェス協奏曲」を聴いたのはいつだろう。
村治佳織の演奏を動画で見たのではないだろうか。
ギターを愛おしく抱えながら綺麗な指が弦を弾く。
哀愁を帯びた旋律と美しい人の演奏に魅せられた。
クラシックギターの音色に魅せられたのも
この「アランフェス協奏曲」が最初だったろう。
ナルシソ・イエペスやペペ・ロメロ、
荘村清志や福田進一の演奏にも酔いしれた。
「アランフェス協奏曲」はスペインに魅せられた
マイルス・デイヴィスがジャズにアレンジ、
「スケッチ・オブ・スペイン」で名演奏を繰り広げた。
チック・コリアの「スペイン」のモチーフにもなった。
最近、ジークフリート・ベーレントの
「アランフェス故郷曲」を聴く機会があった。
速いテンポでいながら情感豊かで一瞬にして
ベーレントのギター演奏の虜になった。
ドイツ人が弾くスペインの叙情。
30年前に57歳で死んでしまったベーレント。
生きていたら生で演奏を聴いてみたかった。
レコードを探してじっくり聴いてみたい。
秋の夜長に相応しい「アランフェス協奏曲」だろう。