麦わら帽のランプ
ほんのりと明るい
ベッドサイドのランプ。
そのランプのシェードが
プラスチック素材の
老朽化で壊れてしまった。
ちょっと押しつけたら
バリッと割れてしまった。
電球が裸になったランプは
恥ずかしがっているよう。
捨てたらと妻は言うが、
長い間使ってきただけに
愛着がある可愛いランプ。
何かシェードになるものを
作ってあげたいと考えた。
和紙を傘型に整えて
覆ってあげたらどうだろう。
プラスチックのボウルで
見合うものを買ってきたら。
ダチョウの卵を手に入れて
中身を食べたあと殻を使ったら。
これ、真面目に考えてみた。
そんなとき妻の被っていた
ストローハットで思いついた。
僕の使っていない麦わら帽が
物置に放ってあったはずだ。
探し出してサイズを合わせると
上手く取り付けられそうだ。
帽子に穴を開けネジで取めてみた。
コンセントを差し込み
ランプのスイッチを入れる。
麦わら帽の中から橙色の光が
ふわっと発光してくれる。
ベッドサイドがほんのりと
美しい薄灯りで照らし出された。
どこにもないユニークなランプ。
今夜は楽しい気分で眠りにつけそうだ。