耳たぶの柔らかさ

「ピザの生地ってね、

耳たぶの柔らかさがいいの」

そう言うと、彼女は

「それってどれくらい?」と

耳たぶを触ってきた。


なんか、とってもくすぐったい。

「やめれ」と体をよじる。

でも、その感じに「あっ」と

思い出すことがあった。

友人の子供と会ったときだ。


「こんにちは」と言うと、

ボクの顔に近づいて耳たぶを

ハフハフとしゃぶったのだ。

そのくすぐったさに身をよじると

「キャハハ」と嬉しそうに笑う。


彼は誰の耳たぶをもしゃぶる。

会う人会う人の顔に近づくや

耳たぶをしゃぶっては大喜び。

くすぐったいことをしたり、

されたりすることが大好きなのだ。


耳たぶの柔らかさの不思議。

その感触は大人になってくると

何やらセクシーな感じでもある。

一度、そう思ってしまうと、

人の耳たぶばかり見てしまう。


もちろん、しゃぶりはしないけど、

そっとその人に近づいて、

柔らかそうな耳たぶを

つまんでみたくなってしまうのだ。

「あなたの耳たぶ度、98点です」