東太郎の才と夢

煌めく才能が
様々にある人がいる。
無名の音楽家を世に出し、
人形劇俳優を世に広め、
音楽を題材にした映画を制作、
自己啓発書まで上梓した。

それほどの才能があると、
器用貧乏にならないかと、
端にいる僕は心配になる。
しかし本人はいたって
好きなことをやっているだけと
楽しく暮らしている。

彼はマリア・カラスと
オペラを敬愛していて、
いつの間にかイタリア語も
マスターしてしまった。
カラスの話は極めて面白い。

なぜカラスの歌声がいいか、
歌に魅了されてしまうのか、
自ら歌って説明してくれる。
瞳は輝き手を振り体を動かし、
語りは熱を帯びて止まらない。

感動こそ神様が
人間に与えてくれた
最大の素晴らしいことと言う。
人を感動させ自分が感動する。
そんな仕事を続けていきたい、
彼の永遠の希望なのである。