「THIS IS IT」
6月25日はマイケル・ジャクソンの命日だった。
2009年のこの日、マイケルは急死した。
催眠薬などの多用で心肺停止、50歳だった。
この年の7月からロンドンで自身最後の
公演が50回行われることになっていた。
チケットは4時間で完売した。
マイケルのこの突然の死を受け、
リハーサルシーンを集めた
ドキュメンタリー映画が制作された。
それが「マイケル・ジャクソンTHIS IS IT」。
ソニーピクチャーズが出資して映画になり、
この年の10月下旬に世界同時公開。
空前の大ヒットで公開日が延長され、
アンコール上映も行われDVDにもなった。
何度も見たDVDを昨日も見てしまった。
マイケルの4オクターブの歌声は健在、
人間業と思えないダンスも驚異的。
「キング・オブ・ポップ」はもちろん、
「世界最高のエンタテイナー」であり、
唯一無二、不出世の天才アーティストだった。
「スリラー」「オフ・ザ・ウォール」「バッド」
「デンジャラス」「インヴィンシブル」
「スムース・クリミナル」「ビート・イット」
超一流のダンサーと寸分の狂いもない踊り、
ハンフリー・ボガードのモノクロ映画合成、
女性ヴォーカル、ジュディスとのデュエット、
スリラーの映像とマイケルのダンス、
ジャングルでの映像と「アースソング」、
オリアンディののりのりギターとの共演、
最後は世界を癒やそう、「ヒール・ザ・ワールド」。
マイケルが死んで15年が経ってしまった。
生きていたら、65歳になっている。
「THIS IS IT」とは「これが最後」の意味。
今生きていてもこのときのようには踊れはしまい。
50歳で天才の名のままに死んでよかったのか、
それとも生きながらえて別の道があったのか。
最後になる前に死んでしまったマイケルだけど、
彼が生きていたリハーサルが映画となって、
それが今も見られる幸福が僕らにはある。
しかし「THIS IS IT」、これが最後になった。