バレエ・ダンサー

バレエ・ダンサーの
舞は美しい。
エドガー・ドガの
「踊りの花形」の
ダンサーは殊の外美しい。

白く薄く可憐な
チュチュが丸く広がり
両腕を大きく上げる。
観客席の上から眺める
ダンサーの顔も美しい。

人工的な光が
下から照らされ、
チュチュの下の
足も細く儚く綺麗。
ああとため息が漏れる。

舞台袖にいる黒服の
パトロンの男。
この男が憎いと、
ドガも思っている。
パリの社交界の裏側。

美しさとやるせなさ。
儚さがあるからこそ
オペラ座のバレエは
見る者を惹きつける。
今宵が限りだと。