椋鳥は益鳥だった!

梅雨の時季に入ろうとしているけれど、
公園を散歩していて目に付く鳥は
椋鳥と書くムクドリである。

冬は大群で大空を舞っている椋鳥だが、
今は地面を歩いているのをよく見かける。
空で見ているときより意外と大きい。

黒みを帯びた茶褐色だが、嘴と足は黄色い。
地面を見て歩いて虫の幼虫を捜している。
巣作りをして雛に餌をあげるのだろう。

今は街路樹や電線から糞をまき落とす
害鳥といわれるようになってしまったが、
昔は農作物の虫を食べてくれる益鳥だった。

椋鳥の一家で一年間に百万匹の虫を食べ、
農家の利益は百万円以上になったのだという。
そんな椋鳥は「農林鳥」と讃えられた。

今やすっかり悪者にされてしまった椋鳥だが、
人間が農薬を使って虫がいなくなったせいだろう。
農薬は体に害を及ぼすのだからやめたほうがいい。

無農薬野菜を育てて椋鳥に虫を食べていただく。
健康な椋鳥は貝原益軒の『大和本草』によれば
食して美味いまさに益鳥であった。