花々とカウンターテナーの共演。村松稔之リサイタル_2022年12月13日
昨年末、オペラ「ジュリオチェーザレ」でニレーノ役を名演されたカウンターテナー、村松稔之)さんのリサイタルに行ってきました。
ヘンデルの「私を泣かせてください」という、大好きなアリアを聴くことができて、もう最高!
プログラムは、前半はジャズで後半はクラシックからの選曲。
「喉の負担は大きいものの、ハイブリッドで贅沢なリサイタルがしたい」と、村松さんがご自身で企画したそうです。
曲の間にトークもたっぷり聞けたので、柔軟な風のように広がっていくお人柄が伝わりました。
幼少期に阪神淡路大震災で被災した経験をもつ村松さんは、コロナ禍でいっそう「生きる意味」や「芸術にできることは何か」を考え続けていると言います。
岡本太郎さんの言葉も引用しながら、芸術には直接社会を変える力はないかもしれないが、その源となる人の心を動かす力がある。
だから自分は歌で人にメッセージを伝えて行きたいということを話していました。
私もまったく同じ考えを持っているため、さらにファンになったことは言うまでもありません。
この想いが軸にあるためか、ハーライン作曲「星に願いを」を村松さんの透明な声で聞いていると、歌詞が日本語から英語に変わってもずっと星は見えていて、この瞬きの前に言語の違いなど何の隔たりになるだろうと感じました。
今回のリサイタルは、「お花とのコラボレーションをしたかった」とのことで、ステージにもホワイエにも、フラワーアレンジメントが溢れていました。
第一部と第二部では村松さんの胸のコサージュにも変化が。第二部ではブーケの中にあるスミレが可愛く咲いていました。
歌われた團 伊玖磨 作曲「5つの断章」の詩にもスミレを見つけたときに合点がいき、なんと繊細で美しいコラボレーションであることかと感動しました。
歌唱中もホワイエでは現在進行形でブーケがどんどん増えていて、最後は希望者に抽選でプレゼント。外れてしまった方は舞台上の大きなブーケから一輪、好きなお花を選べるという心配りもありました。
この抽選ですが、なんと、私は当たったのです!
うれしい!
年末の慌ただしい日々も、視界にいつもある素敵なブーケに癒してもらえていました。
※ 当日の記憶を基に書いており、ご本人確認をしていません。そのため、上にあるご発言が正確でなく、意図や内容をミスリードしてしまう箇所もあるかと思います。何卒ご容赦いただけますと幸いです……m(_ _)m