神々しく雄大なカーチュン・ウォン×日本フィル「ブル9」_2024年9月7日
9月4日の都響「ブル7」(ノヴァーク版)で始まった、私的「ブルックナー・ウィーク」。6日に高関健指揮による「ブル8(第1稿・新全集版ホークショー校訂)」(東京シティ・フィル)で歓喜の涙を流した翌日、日本フィルの「ブル9(3楽章構成)」を聴いてきました。指揮は、大好きなカーチュン・ウォン。
「高関ブル8」も最高でしたが、締めくくりに聴いたのがカーチュン×日本フィル「ブル9」で本当によかった……。
そうしみじみ感じ入るほど、神々しく雄大な演奏でした。
控えめに言っても最高!!!
「ブル8」を聴いているときは、うっそうと茂った森の奥、さらに深い穴の底から天界を見上げる人間の目線で、渇望の先に神の愛を感じました。
一方、日本フィルの「ブル9」は、自然が主人公であるように感じられました。
第1楽章は、雄大な河が流れていく姿が見え、その周辺で景色が移り変わっていく。その中には人間の営みもあり、ときに諍いを起こしている。
そして、河の流れだと思っていたものは「時」の流れでもあったと知る--。
日本フィルの音は、そんな光景を想起させました。
そして、とりわけホルンは神々しく、第2楽章のティンパニは心音のようでした。
演奏が終った後に、サントリーホールのエントランスまで出ていらした奏者の方に、感謝とともにこんなイメージをお伝えすると、
「実は、カーチュンもリハーサルで『自然をイメージして弾くように』と言っていたんです」
と教えていただきました。
音楽に込められた想念は理屈抜きで聴き手に伝わるのだ、とあらためて感動しました。
***
さて、会場を出ると別々に演奏会に来られていた「松本記念音楽迎賓館」の横田さんと、ご友人のTさんOさんと合流し、楽しいひとときをすごしていたら--!?
なんと、隣のテーブルに日本フィルのホルン奏者の方々が!?
う、う、う、嬉しすぎる!!!
しかも、こちらのつたない感想も広いお心で受け止めてくださり、写真まで撮っていただきました。うれしい……。
本当に素晴らしい1日でした。
(帰宅後は仮眠&水のシャワーを浴びて酔いを冷まし、翌日〆切の原稿に没頭しました。お蔭様で原稿も間に合いました!)
私の人生に音楽があることを、神に感謝します。