【音を奏でること以外では、筋肉に一切の負担をかけない】藤田真央✖️ 下野竜也_2021年5月21日
2021年5月21日に、藤田真央さんのピアノを、下野竜也さん指揮、読響のオケで聴いてきました。
隅々まで丁寧かつストイックに鍛え上げられた、しなやかで軽やかな音楽でした。初夏に聴くモーツアルトの何と楽しいことか!
ピアノパートを弾き終えたときに、藤田真央さんが腕を完全に弛緩させている様子に、「音を奏でること以外では、筋肉に一切の負担をかけない」という天才芸術家の意思を(勝手に)感じました。
そして、オケの演奏中に演奏を見渡して音楽を味わっている余裕に、ほとほと憧れました。
あの軽やかさは、確固たる技術力があって初めて醸し出されるものだなと思います。
知人のヴィオラ奏者に教えていただいたのですが、音楽家にとって脱力はとても大切なのだそう。
ーーー東京藝大の体育の授業には、脱力を会得するための「こんにゃく体操」なるものがあり、みんなでやるのだそうです。
「脱力を会得」という言葉に凄みを感じる。無意識にはできない、技術なんだな。
そして演奏後に真央さんが振り返ったとき、そのうなじがあまりにも真っ白くて、他の演奏家と同じように、この人はどれほど部屋にこもって練習し続けてきたのかと、背中に水をかけられたような思いでした。
この天才の1万分の1でも私に才能があれば。
そして1万分の1でも私に愛嬌があれば!
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