さよなら3歳 またきてあした
きゅうりと部屋デコ
と、メモ帳に書いてあった。長男が4歳になった。ケーキは作るつもりだったが、きゅうりは伏兵だ。なぜにきゅうり。まあいいや所望されたとあれば買ってきてぶった切るのみ。
いいこと言ったつもりで失敗した話。
もうすぐ4歳だね、という話を長男としていた。途中まではノリノリだったが、ふと、
「3歳が終わっちゃうの、さみしいなあ」
と漏らしたのが、まさかの地雷だった。さみしい、がおそらくNGワード。そうでした、さみしいのが苦手でしたね・・・。
そこから始まる怒涛のなんで攻撃。
「3歳の息子ちゃんがとってもかわいかったから。でも、4歳のかっこいい息子ちゃんもいいよね〜」と無難にかわしたつもりが、読み間違えた。
「3歳のまま大人になる~~」と半べそでべったりとくっつく息子。
「なんで、4歳いいじゃん、みんなお祝いしてくれるよ、誕生日プレゼント欲しいでしょ」「じゃあ、誕生日でまた3歳になって3歳のプレゼントもらう!」
ああ言えばこう言う。
「3歳のおれはどこに行っちゃうの、お母さんさみしいのイヤ、3歳がかわいそう、おれは3歳のままで大人になる」「かわいいままでいい、かっこよくならないぃーーーー」
「4歳にはなーらーなーいいいぃぃぃぃ」
こうやってまとめると微笑ましいが、小一時間に渡ってこの問答である。ギブ。ギブです。もう3歳でいいです、ということでその日は就寝した。
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翌朝。もう忘れてるだろう、とたかをくくっていた。しかし、起きるなり「まだ3歳だよね!!」としつこく言ってくる。残念、もう4歳である。「うーん、何歳かは知らないけど誕生日だねえ」と答える。「3歳だから!」しつこい。
ここで、救世主があらわれた。部屋の片隅に見慣れぬ小箱を発見した息子、「これトミカ!!」
*息子はトミカに目がない。過去記事参照
それは、夫が仕込んでいたプレゼントであった。夫、「それは4歳の子のためのプレゼントだよ。」 ああそれ言っても無駄なんだって。3歳のままでもらえばいいって、昨日さんざん言われたもん。
しかし、現物を目の前にしてまさかの豹変。
「あ、おれ4歳だったわ!」
現物って強いよね。トミカ欲しいよね。
こうして、無事息子は4歳となったのであった。さて、きゅうり切ろうっと。