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【Interview Vol. 11】 インターン 上垣楓歩

今回は、Homedoor内での人望も厚いインターンの上垣さんにインタビューを実施しました。いつも「お手伝いしましょうか?」と自然に相談者の方やスタッフを助けてくださるなど、Homedoorの強力な戦力です。印象に残っていること、戸惑ったこと、インターンをすることの意義などについてお聞きしました!

——これまでのご経歴を教えてください。

現在、関西学院大学 文学部 総合心理学科の3年生で、家庭環境などから生きづらさを抱えているけれど、なかなか支援につながることができていない若者へのサポートに興味があります。大学では心理学を学んでいますが、今は社会福祉への興味が強く、卒業後は社会福祉士を目指したいと考えています。

——Homedoorのインターンに応募したきっかけは?

さまざまな環境で育ってこられた方々と関わることができ、さらに社会福祉に関する知識が増えるようなインターンを探していたところ、Homedoorのホームページに辿り着きました。インターンの内容が自分の学びたいことに近いと思い、これだ!と思って応募しました。

——学業、バイト、プライベートとインターンの両立はいかがですか?

基本的にHomedoor側から「この日に必ずきてください」といわれることはないです。「どの日であれば勤務可能ですか?」「何時から何時まで勤務できますか?」といったように聞いてくださり、スタッフさんと一緒に出勤日や時間を決めることができるので、両立はしやすいです。ちゃんとプライベートの時間も確保できています。

プライベートの様子

——上垣さんから見たHomedoorの雰囲気は?

最初面接に来た時から、団らんスペースがとても賑やかだったことが印象に残っています。インターンをはじめてからも、相談者の方、元相談者の方が毎日来所されて、Homedoorは本当ににぎやかです。

スタッフの方も優しく丁寧にいろいろなことを教えてくださるので、
とても働きやすいです。生活保護申請の同行など緊張感のある日もありますが、「今日もインターンに行かないと」といった重さはないです。むしろ、Homedoorに来ると気持ちが本当に落ち着きます。

代表の川口さんや事務局長の松本さん、相談者の方やインターンとも距離が近いところも、自分には合っているなと思っています。

団欒スペースにて談笑中

——戸惑ったことはありますか?

インターンを始めた当初は、事務所がすごく忙しい時など、スタッフさんに質問したりするタイミングが少し難しく、自分はどう動けばいいのかわからない時もありました。

でも、今は「自分が何をしたらいいのかわからない」と思った時の経験から、不安そうなボランティアさんにも積極的にお声かけさせていただいています。例えば、新生活応援キット(相談者の方がHomedoorからお引越しされる際にお渡ししている食料や電化製品のセット)の準備の仕方など、自分にわかることはお伝えしたりしています。

新生活応援キット

また、インターンを開始してまもない頃は、どういった方がHomedoorに来所されるかもわからなかったので緊張感もありました。インターンを開始して8ヶ月経った今は、相談者の方との距離もかなり近くなったかなと思います。相談者の方のちょっとした一言や優しさが心に沁みます。

——印象に残っていることは?

はじめて生活保護の申請の同行に行ったことがとても印象に残っています。相談員さんからも事前に説明を受けていました。でも、そもそもわたしが生活保護に関する知識があまりなかったのですごく不安でした。本当に私が同行していいの?という気持ちでした。

しかし、私の不安な様子を察してか、同行させていただいた相談者の方は生活保護を過去にも利用されたことがあり、申請するとどういった支援が利用できるのかなどについて教えてくださいました。同行していたはずなのに、私が勉強させていただきました。

インターンを開始する前は、生活保護を利用する人は生きづらさを抱えているなど、人と人間関係を築くのが苦手な人が利用するんだろうなと勝手に思っていました。しかし、相談者の方と話していくうちに、その人の性質などではなく、社会経済状況の変化などにより、誰しもが生活に困窮する可能性があるということを実感しました。生活保護は社会の大切なセーフティネットだと思います。

——いつも主体的に活動されている上垣さんですが、その原動力はどこから?

最初の頃は、むしろ型にはまっていないといけないと思っていました。

でもある時、特に急いでしないといけないお仕事がなかったので、「何かやることありますか?」と相談員の方にお聞きした際、「Homedoorのお仕事をお手伝いしてもらえるのは嬉しいけど、職員ではないのだからこれを絶対やらないといけないというのはない。上垣さんは学びにきてるのだから、時間があるときは、相談者の方の記録を読んで勉強するなど、自由にしていいんだよ」と言ってくださいました。

それまでは指示されたことを綺麗にこなさねばと思っていましたが、この言葉で目からうろこが落ちました。その言葉で「それでいいのか」と思って、とても主体的に働けるようになりました。

また、インターンをはじめた当初は「Homedoorで得られる知識を吸収したい」など、どちらかというと、自分のためにインターンをしていました。しかし、「Homedoorにつながって希望が持てた」といった相談者の方の声を聞いていくうちに、自分も相談者の方がゆっくり過ごせる場所づくりに貢献したいと思うようになりました。今は、Homedoorのために何かしたいという思いが、主体的に活動できている原動力になっていると思います。

——上垣さんは相談者の方に楽しんでいただけるような季節のイベント「アンドフェス」も企画してくれましたよね。 そのアイディアはどこから?

インターンを始めて半年ほど経ったころ、何か新しいことをやってみたいと漠然と思っていました。

インターンを通じて、これまで孤立されてきた方、転居後の一人暮らしにおける孤独感への不安を抱えている方が多いと感じていました。新しいお家にお引越しされても、いざという時にはまたHomedoorを頼っていただけるようにするためには、相談者の方が宿泊施設アンドセンターに滞在されていらっしゃる時から関係性を作っていくことが大切なのではと思いました。

そこで、関係性づくりを目的としたイベント、「アンドフェス」の開催を相談員さんとの面談時に提案したところ、「いいんじゃない?」とあっさりお許しをいただきました(笑)。シリアスに捉えすぎず、「とりあえずやってみては?」といってくださるHomedoorの自由な環境はとてもありがたいです。

いざ、第一回アンドフェスとして節分イベントを実施するとなった時は、スタッフさんや他のインターン、相談者の方が助けてくださいました。

第1回アンドフェスの節分イベント。朝からかんぴょうを炊く準備をしてくれた相談者の方
恵方巻きづくりを楽しむ相談者の方たち

特に、事務局長の松本さんが「ホムパト通信(夜回りでお配りしているHomedoorの連絡先や求人情報を掲載した冊子)にアンドフェスについて掲載しますか?」とご提案してくださいました。

イベント情報などを掲載したホムパト通信

おかげで、アンドセンター宿泊者の方だけでなく、路上で生活されていた方にも恵方巻きをお渡しすることができました。また、あまり団らんスペースなどに来られることのなかった宿泊者の方が、アンドフェス以降積極的にお話しされるようになったというケースもあり、とても嬉しかったです。

他のインターンと上垣さん(右)
第2回のアンドフェスはひな祭りイベント(手前の手は参加してくださった相談者の方)
ひな祭りにちなんだ3色おにぎりの作成を計画

——Homedoorでのインターンを考えていらっしゃる方へのメッセージ

さまざまなバックグラウンドを持っている方々と接することができるというのは、Homedoorでインターンをする大きな意義だと思っています。
自分が当たり前だと思っていたことが当たり前じゃなかった、こういった人生の生き方もあるんだと思うようになりました。

Homedoorでインターンをすると、自分の視野が本当に広がります。知識などがなくても、社会福祉士などを目指していなくても、気楽に参加できるインターンだと思いますので、まずは一度参加してみてください!

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