100日後に30歳になる日記(23)
◆5月24日
観たい映画が2つあって、公開時間を調べたらスムーズに続けて観られるようなので四時間ぶっ通しで2作見ることにした。
「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」後編。前半が面白くって期待していた分、ちょっと急ぎ足というかなんというか、サブカルの悪趣味のイヤなところを詰め合わしたような結末で、それでいいの? となった。デデデデには気分をアゲてもらううつもりでいたので、見終わった後このテンションで次の映画イケるかなと心配になった。
次いで「関心領域」。アウシュビッツの隣の家の住人の話、とだけなんとなく予告で知っていたので、どう転んでも気分が上向きになる要素はなさそうだ。観終わって、去年観た「ヒトラーのための虐殺会議」を思い出した。あれよりずっと淡々としていて、アウシュビッツに近いぶん残酷だ。比較できる悪意ではないけれど。
「関心領域」の観客は内容柄ひとりで見に来ている人たちが多くて、このたぐいの映画を観たあとに観客たちが神妙な面持ちになって出口にぞろぞろ向かっていく瞬間が私は好きだ。スマホの電源をつけ直すこともなく、深いため息をつきながら。
2つ観た映画のどちらの上映前予告でもながれていた、「BAD BOYS」の新作が面白そうで、調べたら4作目であるらしい。前3作しかないなら追えるなと思って、家に帰ってサブスクで「BAD BOYS」の1作目を観た。デデデデと「関心領域」にはなかった底抜けの明るさと胸踊るアクションに溢れていて、すこし浄化された。ウィル・スミスかっけえ〜〜!!
私が映画に求めているのは、考えさせられる要素とか、露悪的な物語ではなくて、勧善懲悪かもしれない。それとコメディ。
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「SAKAMOTO DAYS」全巻読み終えて、どハマリした。ジョン・ウィックじゃんこれ。テンポが良くてすいすい読めて楽しい。楽しい!! 本誌最新話で私が一目惚れしたお爺さん、てっきり敵役だと思っていたのに、どちらかと言えば味方側だった。味方側が「生かしちゃあおけねぇクズばかり」なんて言うんだね。まあじっさいクズ寄りなのでサクッと殺ってください篁さん。
作者のデビュー読み切り漫画を読んで、惚れ直した。天才少年とかよりも、私は経験に経験、鍛錬に鍛錬を重ねて達人の域に入ったキャラクターが大好きで、刃牙で喩えれば渋川剛気だ。というより、親の遺伝とかそういうので天才的に活躍するタイプの主人公が嫌いで嫌いで、聴いてるか大谷翔平、読んでるか藤井聡太。俺だってなぁ、俺だってなぁ! 俺だって大器晩成型なだけなんだからな!
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モテないから学園アイドルマスターというソシャゲを始めた。月村手毬ちゃんって言うんだ。ふぅん……かわいいね。これからよろしくね? にやにやしながらしこしこプロデュースしている。大器晩成はできそうですか……?