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鬱々とした週末

 フランスには来なかった、鬱がやってきた。日本人があまりに優秀過ぎることから、起こる。特に、私の仕事は、昔は私しかいなかったのに、いまは、20歳、30歳年下の美しく、優秀な女性が後を追いかけてくれる。嬉しいことなんだけど、寂しくなるときもある。先週もテレビを見たら、20年前から知ってる後輩が全国ニュースに出ていた。さらに、地位も5段階アップし自信も加わり美しさは絶対値がつき、20年来変わらない漆黒の髪が美しかった。その前に、二つの仕事で評価が得られなかった私は暗澹たる気持ちになったところで、彼女が5段階アップ寄り切り頂点に立つ姿を見て、己れの不甲斐なさと中途半端さにノックダウンした。普段なら、人は人と思うところ、今回は、フランスの同業者の期待を背負ってきているため、申し訳なさでいたたまれなくなった。もう、ダメかもしれないっていう思いと、自己評価はそもそも過大評価だったのではと自信喪失した。完膚なきまでに。もう、何にも楽しくない。
 
 土曜日の朝、起きられなかった。それでも10時頃起きて、走った。心拍数をあげて、鬱の芽を早い段階で摘み取ろうと。4キロのところにある立ち飲みの焼き鳥屋に寄った。いつも優しい店長の目が怖かった。鬱が勢いをまし、全てを不安材料にする。走って、家に戻り、結局、何もせず、夢うつつとばかり、寝たり起きたりで1日が終わった。

 日曜日朝起きたら、家族がいた。もう感情もなくなって、みんなを見るのも嫌だった。走った。心拍数をあげるために。公園に寄った。外国人観光客でいっぱいで、秋の風が吹いていた。気持ちいいけど、気持ちは晴れない。
 お団子やさんでみたらし団子を食べた。3本セットだった。美味しかったけど、3本は多すぎやろうと後悔した。一本でよかったのに。あんなに好きだった焼き鳥屋にはもう行かなくてもいいと思った。酒フェアをやってたけど、大好きな日本酒が見たくもなかった。

毎年、この地域の酒造会社が集まり飲み比べや、食事ができる。

みたらしが胃で重くて、心拍数もあげて走れなかった。
 家に戻ると夫が甲斐甲斐しくブランチの用意をしてくれた。美味しいざるラーメンとサラダだったが、夫が、グラスを一つ落とした。言わなくてもいい嫌味を夫に言ってしまった。夫は笑いながら謝った。謝らなくてもいいのに…。
 子どもとデパートの北海道物産展に行く予定で、1時間ほど準備ができるのを待って、精神安定のために始めた靴磨きと、破れたジャージの繕いをしても、まだ子供の準備はできない。子どもは動画を見ながら準備しているから。「まだ?」と聞いたところ、「せかした」と逆ぎれされ、子どもが一人で、デパートに行くことになった。
 デパートの5%オフのカードを貸してあげる際、「あまり使わないでね」と言ったら、「フランスであの変なアパートを維持してるから無駄な出費になってるんだよ」と言われ、めちゃくちゃ腹が立った。ひどい言葉をいいかえしてやろうかと思ったけど、やめた。人格批判になるからね…。さらに暗たんたる気持ちを背負って、職場に出かけた。救いは、仕事のみ。仕事をちょっとしてご機嫌になったので、ラインした。「何時にデパートから戻る?一緒に晩ご飯食べよう」 
 

滝もある公園

 どうにか、暗澹たる気持ちを収めてきたが、月曜日に続く。鬱鬱感情は完治できるのか?もしかして、ADHD、アスペルガーのミックス以外に、アダルトチィルドレンもプラスされ、他者からの評価をもらえないと鬱鬱は残り続けるのか?
 とにかく月曜日に続く…。