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不安と成功は相反しないけど、やっぱり、不安じゃない方がいい。

 今日の失敗は、今までしたことがないメールの誤送…。メアドを知らない若手職員への個人的メールを、私の課の37名にも送ってしまった。職場のメール名簿から該当職員1人を取り出して、メールを送ったと思ったけど、職場全体の名簿を消し忘れたのだ。周りにいた何人かが指摘してくれてわかったし、件名に、○○さんと入れたので大丈夫と思い無視したが、どんどん宛先間違いではと親切メールが届くので、生まれて初めて、「先ほどのメールは誤送です。消去をお願いします」と訂正メールを送った。ちょっと恥ずかしい。

 それで、思い出した!私は、最も重症の注意欠陥多動性障害をもっていた。

 不安でいっぱいだと確認作業を怠らないというか、すぐにメールを出さないのでこういう失敗は起きなかった。

 不安と失敗のおそれ、両天秤にかけてみると、どっこいどっこいなんだね。

 それで思い出したけど、フランスのモバイル契約、100ギガバイトも使わないので、20ギガに変更した(参照「デジタル音痴モバイル屋に行く」)。うまくいってると思ったけど、アパートのWi-Fiの減額控除がなくなっていた。結局、賢い選択と思ってしたことが、金額的には同じになった。

 こういうことなんだ。世の中、得したようで、得していない。損したようで損していない。

 だけど、やっぱり、私は、不安は嫌い。それよりは、失敗を選ぶことにする。そして、今回は、不幸中の幸い。メール本文に余計なことを書かなかったから良かった。誰かのことを書いていたらとんでもないことになったところだった。これからは、この点は徹底しよう。

 でも、不安がなくなったので、生活レベルはかなり上がったと思う。

 日曜日は、子どもについてデパートの化粧品売り場に行った。私は、化粧品を買いにいくのは嫌い。なぜなら、気の強そうな美しい化粧品の販売員は人のコンプレックスにつけこんで、不要な化粧品を買わせる。19歳のときに、絶望した。でも、その後、マーケティングに関わった時、デパートの売り上げの多くを1階化粧品でまかなっていることを知って、化粧品会社というよりデパートの戦術であることを知った。大好きなデパートを維持しているのは、化粧品なんだ。でも、化粧品売場にはなるべく寄らない。これは、フランスでも同じ。だけど、フランスは、私が化粧品を買うセフォラは若い優しい男性が販売員。必要なものだけをカウンセリングしながら吟味して売ってくれる。

 普段は行かないデパートの化粧品売り場に足を運んだ。何年ぶりだろう。
 
 子どもは生まれた直後からひどいアトピー性皮膚炎だったので、化粧品は彼女にあったものを自由に選ばせている。小さいときは、純度99%のワセリン以外は肌に合わず、季節の変わり目の5月と11月は皮膚科で処方されたステロイドを塗らないと赤むけてしまった。私が死んだあと、60歳になった子供がステロイドの多用で肝機能障害になるのではと胸が裂けそうな不安が時々頭をよぎる。だから、多少高価であっても、学生の間はお金を出してあげている。もしかして、子どもが貧しかったらずっと、化粧品を買ってあげ続けるのかも…。

 日曜日は、子どもが買いたいクリームを「デコルテ」という日本の化粧品会社。化粧水とおしろいはDiorだった。初めて、私も隣に座った。店内、値段が書いてない…。高級そう。だけど、驚いたのは、どこのブランドも、30年、40年前にいたイケイケの美人販売人はいない。疲れた40台から60台のご婦人販売員。そして、不要な発言はしない。心がこもった接客。とにかく、優しい。

 驚き。デパートが変わっていた!2階以上は変わっていなかったので、1階化粧品売り場だけ優しさと上品さとおもてなしの心を徹底していた。そのため、お客一人ひとりへの接客を大事にし、予約というか順番制度になった。

 Diorは夢のような化粧品だった。もちろん、私は使ったことはない。ボーっとやりとりを聞いていた。Diorの販売員は、最後に、「髪にミストをかけてあげたいのですが、いいですか?」と何も買っていない私に、香を選ばせ、ミストをかけてくれた。大好きな、Miss Diorの香のヘアーミストを選んだ。洗いっぱなしで艶がない私に、さらに、「よかったら髪にオイルも塗ってさしあげたいので、髪を触っていいですか。」と言った。もちろん、お願いしますと答える。

 なんか天にも昇る気持ちになった。私にもたくさんの試供品をプレゼントしてくれて、梱包の際、お嬢さんのバッグの中に入れておきますねと言いながら、「すみません。入らなかったので、小さなバッグに入れてしまいました」と渡してくれた。でも、販売員は、私がベビーピンクが大好きって気がつき、この色のリボンをつけた小さいバッグを私が気に入ると確信したのだと思う。私はクロエのベビーピンクのポシェットをもっていたし。だって、化粧水とおしろいの2品しか買っていない子供の紙バッグはすかすかだった。すごく嬉しかった。

 もちろん、普通はぱちぱちの肌の20台の子どもに高価な化粧品を買ってあげる母親は、より自分のためにも高価な化粧品を買うと思うだろう。だから、親切にした方が売り上げにつながることは誰でもわかる。うちの子のアトピーのために、眠れぬ夜を過ごしてきたことまでは、販売員は推測はできない。うちの子の肌は、今ではピカピカ完璧な肌。親子で守った肌。ちなみに、私のおしろいは、ドラッグストアのケイト。1800円。化粧水なんて、冬はつけないよ…。

 でも、試供品の入った紙袋をもらって本当に幸せな気分になった。私は、デパートにいる間、嬉しくなって、子どもみたいにずっと、小さいDiorの紙袋を腕にぶら下げて歩いた。でも、注意欠陥から、2回も、バッグもっていること忘れてしまって落としたけど…。

 めちゃくちゃ幸せな気分にしてくれた販売員さん。今度、フランスの空港の免税品ショップで、あの素晴らしいDiorのアイクリームを買います。
 デパートの店員さんは、私が毎月のように、フランスと日本を行き来していることも推測できないと思う。推知力は長けても、推測力は難しい。なぜなら、世の中の事実は、小説より奇なりというか、人は見かけによらないのだから推測できない…。

デパートのカフェで、クラフトビールを見つけて、よりご機嫌。