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「前情報と違ってガッカリしたけど、もう一回見たらこれはこれでアリ」に名前をつけた

最近、Youtubeで『ゆる言語学ラジオ』というチャンネルにハマっている。「言語学の二歩手前」をテーマにした言語についての話から、言語学とは全く関係ないうんちく大会まで、身になっているかなってないかわからん丁度いい塩梅のインプット媒体として、とてもいい。

その中の一つに「ミーム提案委員会」という動画があった。

大まかに説明すると

「こういう概念に便利な名前つけた~い」

という主旨の動画だ。
この動画で挙げられている新提唱ミームは以下の通り。詳しい意味や背景はぜひ動画を参照してほしい。

* 本質本
* 出落ち本
* 裏切り本
* 個人的インパクトファクター
* うんちくクリシェ
(本動画では触れられていないが頻出する)

かなりの読書家であるお二方が提案しているため本に関するミームが多いのも面白い。
恐らく身内ネタや自分が勝手に使っている程度のミームであれば、誰でもひとつくらいは持っているだろう。
そんなわけで、ここからは私が提唱したいミームをひとつ紹介しよう。

肉まんあんまん現象

人生一度は映画や小説を見て「前情報と違うくて微妙やったけど、改めて見たら普通やな」と感じた経験があると思う。この感覚に名前をつけたミームが「肉まんあんまん現象」だ。

由来は説明するまでもない(過言)が

「しょっぱい肉まんだと思って甘いあんまんを食べたら不味いけど、あんまんだと思って改めて食べたら普通に美味しいわ」

となること。なるよね?

このミームの肝は一度「マズ!」を経由して、悪い方に評価が振れていることなため、単なる「思てたんと違うけどええやん」とは少し異なる。
個人的に「思てたんと違うけどええやん」となった作品ではディズニーの『ベイマックス』を挙げるが、「肉まんあんまん現象」は起きていない。

直近で肉まんあんまん現象が起きた作品は、友人との会話で出てきた有川浩の『塩の街』というライトノベルだ。 あらすじは以下の通り。

世界が終わる瞬間まで、人々は恋をしていた──有川浩、衝撃のデビュー作!
塩が世界を埋め尽くす塩害の時代。塩は着々と町を飲み込み、社会を崩壊させようとしていた。その崩壊寸前の東京で暮らす男と少女、秋庭と真奈。世界の片隅で生きる2人の前には、様々な人が現れ、消えていく。だが──「世界とか、救ってみたくない?」。ある日、そそのかすように囁く者が運命を連れてやってくる。
(Book Walkerあらすじより引用)

私は当初、このあらすじを見て所謂終末モノとして読んだ。しかし、終末的な悲壮感は序章で消え、愛が世界を救うという着地点(24時間テレビか?)にて物語は終わりを迎える。

つまるところ、実際には終末モノというよりは恋愛小説だったわけだ。
結果としてSFちっくな恋愛小説として読めば十分面白い作品ではあるのだが、人間の無力さや終わる世界を見つめる虚しさであったりを大きく期待して読むと肩透かしを喰らう気分を味わってしまった。
これが肉まんあんまん現象である。

悪意のある外的要因によりあんまんを食べさせられたならまだしも、私の例のように、原因が明らかに自分にある場合の何とも言えない気分ったらない。

*

自分の中に感覚・感覚を言語化すると、簡単に共感・共有できるようになる。そして、やはり昨今のSNSの浸透が示しているように、共有は楽しい。この記事を通じて言語化の楽しさ、そこから「言葉っておもしろいな」と感じてもらえれば筆を取った甲斐があるというものだ。
ついでに肉まんあんまん現象を使ってほしい。

最後に、『ゆる言語学ラジオ』のオススメ動画を紹介して本記事を締めようと思う。

▼ 辞書を作った人たちの物語を紹介する回

▼ 辞書物語 英語編


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