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エピソード2―(3)

 
「はあぁぁ~。先月先々月に続き今月も結果は最悪~。なんで凶しかでないの?恋愛運ないのかなぁ、わたし」

大きなため息をつきながら、赤銅色の月を眺め、目をウルウルさせる沙羅。

「男友達って言ってもお調子者の蓮しかいないし。あぁああ~、わたしっって!」
ヤダヤダヤダと言いながら、首を左右にぶんぶん振りまわした。
 
「こんなアンニュイな日は!コンビニ!!コンビニ最高~!!糖分摂って、グッスリ寝るぞ~!」
 
善は急げと足取り軽く目を輝かせながら、近くのコンビニへと滑入るように入店!ウヘヘ顔で店内を見回していると、見覚えのある風貌の男性を発見する。背中まであるあの長~い黒髪。

―あれはもしや、あのイケメンさん?

「もしかして・・・神職さん?」
ビクッと肩を震わせ恐る恐る振り返る男は、安堵したようなホッとした表情で沙羅を見下ろした。

昼間とは違い、繊細な金縁の丸メガネをかけているせいか、知的な雰囲気も加わり、紳士な香りを醸し出している。

あ、今日神示にこられた方でしたか。奇遇ですね。驚きました、本当。最近、ちょっとストーキングされてまして、またかと内心ビクビクしておりました。ははは」

(本当は殺し屋なんですけどね・・・・)

「あははは、イケメンは大変ですね~」

「いやぁ~、お恥ずかしい限りです」
と、どこかご満悦そうな顔でガシガシと頭を掻くと、あ!と言う表情で沙羅を見下ろした。
 
「ところで、このような時間に女性一人で危なくないですか?心配ですから途中までお送りしましょう。それと宜しければその商品の代金、わたしが一緒にお支払いしますよ?」
 
「えっ?いやいやいや大丈夫です!自分で払いますから」
まあまあ、と言いながらその大きな掌で掴むと、半ば強引な感じで会計をパッと済ませる。
「はい。これは貴女の分です」
「ありがとうございます」
そう言いながら、申し訳なさそうな顔で頭を下げた。

「全然大丈夫ですよ。それよりお家へ急ぎましょう。変な輩にからまれでもしたら大変ですから」
そう言うと柔らかい笑みを浮かべた。

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