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ドットアニメ作成2

RPGツクール2000でのドットアニメ作成、2回目の記事です。

前回、キャラクターのオリジナルアニメーションを作る方法として、大きく2種類の方法があると書きました。
①キャラクターの動作指定
②戦闘アニメ

詳しくは後述しますが、2つの方法のメリット・デメリットを箇条書きにします。

①キャラクターの動作指定

メリット

・直線(斜め含む)行動・移動において少ないフレーム数で滑らかな動きを
 見せることができる。

デメリット

・直線行動以外の複雑な動きを表現しづらい
・同時に複数のキャラ・オブジェクトを動かす際、互いがぶつからないよう
 に注意が必要

②戦闘アニメ

メリット

・直線行動以外の複雑な動きを表現しやすい
・複数のキャラ・オブジェクトを同時に動かす際にタイミングを調整し 
 やすい
・戦闘アニメで動かすキャラ・オブジェクトは、画面の色調変更の影響を受
 けない
・同時に複数のキャラ・オブジェクトを動かす際、互いがぶつかる心配がな
 い

デメリット

・歩行グラフィックから戦闘アニメへ、あるいは戦闘アニメから歩行グラフ
 ィックへ切り替える際、始点・終点の座標を合わせるのが大変
・戦闘アニメで動かすキャラ・オブジェクトは、画面の色調変更の影響を受
 けない
・同時に複数のアニメを進行させることができない
・アニメーションを滑らかに表示させるために、ある程度のフレーム数が必
 要

詳述

①キャラクターの動作指定

・直線(斜め含む)行動・移動において少ないフレーム数で滑らかな動きを 
 見せることができる。

 これは、基本的にキャラクターを上下左右、右上右下左下左上の8方向に向かって、キャラクターを横移動させるからです。横移動させている際、キャラクターは「歩いている」ので、表示が途切れることはありません。歩行グラフィック扱いだからです。

ドットアニメその3(キャラクターの動作指定)

 この途切れることがない歩行中(あるいは静止中)に、キャラクターの動作指定コマンドにより、グラフィックを段階的に変更してアニメを作成するため、必然的に「滑らか」に見えます。上のgif画像はキャラクターの動作指定のみで設定したものです。使用した歩行グラフィックは2パターンのみです。

・同時に複数のキャラ・オブジェクトを動かす際、互いがぶつからないよう
 に注意が必要

 これは、動かすキャラクター・オブジェクトは歩行グラフィック扱いのため、互いがぶつからないようにタイミング、すり抜け設定、座標を計算する必要があります。
 
 また、デメリットとして挙げはしませんでしたが、上記の複数キャラクターを動かすケースの場合、それぞれを動かすタイミング、座標等を視覚的に設定できません。ゲームエディタ画面上で1マスずつ、移動するルートを自分で数えて調整し、テストプレイをしながら確認する必要があります。

②戦闘アニメ

・直線行動以外の複雑な動きを表現しやすい
・複数のキャラ・オブジェクトを同時に動かす際にタイミングを調整し 
 やすい
・同時に複数のキャラ・オブジェクトを動かす際、互いがぶつかる心配がな
 い

戦闘アニメ設定

 上記は、画像の戦闘アニメ設定画面を見ていただくと、なんとなくわかってもらえるかもしれません。各アニメフレームの画像の移動制限は特にありません(ゲーム画面に収まる範囲ならどこでも)ので、直線行動以外も可能です。
 複数のキャラクター・オブジェクトも、同一フレーム内に入れ込めるため、動かすタイミングや座標等も視覚的に設定できます。これはキャラクターの動作指定と大きく違う点です。
 また、戦闘アニメで動かすアニメは、歩行グラフィック扱いにはならないため、互いがぶつかる心配もありません。

・歩行グラフィックから戦闘アニメへ、あるいは戦闘アニメから歩行グラフ
 ィックへ切り替える際、始点・終点の座標を合わせるのが大変

 上記の、始点と終点の座標を合わせるのが大変・・・これが戦闘アニメの最大のデメリットだと思います。
 先も書きましたが、戦闘アニメで動かすキャラクターは歩行グラフィック扱いではないため、戦闘アニメ開始直前の歩行グラフィックを、戦闘アニメ開始直後のグラフィックに接続(変換)しなければなりません。また、アニメ終了時にも同様に、戦闘アニメから歩行グラフィックに戻さなければなりません。

 要約すると、歩行グラフィックと同じ画像を戦闘アニメ素材に入れ込み、開始前後の座標が一致するように調整する必要があります。でないと、多くの場合でキャラクターの動きが不自然に見えます。つまり、歩行グラフィックが立つ位置と、戦闘アニメの1フレーム目(終了時は最終フレーム)とを合わせるということですね。
 言うだけならば、すぐできそうな気もしますが、1フレーム目がずれていると2フレーム目以降も合わせて調整しないといけません。複数回テストプレイもすることになりますので、忍耐力もそうですし、開始前後が1座標分でもずれていないか、まばたきしないで集中して確認する必要があります(戦闘アニメって始まると結構な速度で進行するので)。
 私もまだ数えるぐらいしか、戦闘アニメで歩行グラのアニメは作ったことがないのですが、戦闘アニメ素材中の1マス(96x96サイズ)の「ここらへんに置けば座標合うかな?」と、自分の中でアタリをつけておく必要があるかもしれないですね。

・戦闘アニメで動かすキャラ・オブジェクトは、画面の色調変更の影響を受
 けない

ドットアニメその2(戦闘アニメ)

 戦闘アニメのメリット・デメリットの両方に書きました。上のgif画像を見ていただくとわかるように、画面自体は設定で暗くしていますが、動いているキャラクターだけ明るいです。つまり、キャラクターにだけスポットを当てることができると考えることもできますし、そんな意図はないのに1人だけ目立ってしまう、と考えることもできます。これはその時の演出で、何を表現したいかにもよります。ちなみに上の場面では、当初は意図しなかったものの、キャラを目立たせたかったので結果オーライでした。

・同時に複数のアニメを進行させることができない

これも、戦闘アニメの結構なデメリットだと思います。緻密にタイミングを計算した複雑なイベントを設定したい時には、結構辛いと思います。一応、戦闘アニメの同一フレーム内に複数キャラ・オブジェクトを入れ込むことはできますが、RPGツクール2000に使える素材は、1ファイル内に入れられる色数が256と制限があります。
 お互いのオブジェクトの色相があまりに異なると、片方のオブジェクトをもう片方(別ファイル)に移して統合する際にキャンパスパレット(色情報)の移管がうまくいかないことがあります。その場合は、ペイントソフトなどで256制限がない状態で統合し、色数を再び256色に戻す(減色)という手間がかかります。

・アニメーションを滑らかに表示させるために、ある程度のフレーム数が必
 要

 上の【ドットアニメその2】の動画では、映っていない場面も含めると、合計54フレームの戦闘アニメを設定して動作させています。gif画像にするとどうしても動作がカクつくので、実際はもう少し滑らかに見えるのですが、それでもキャラクターの動作指定で設定したアニメに比べると、滑らかさには欠けます。
 なにぶん、戦闘アニメの仕様上、座標が8刻みということもあり、その粗さをカバーするには、戦闘アニメ素材内で多くのグラフィックを用意して対応するしかありません。


ということで、今まで感じたことをまとめてみました。
 どちらも面倒くさい点、便利な点はあります。場面に応じて使い分けられればいいですね。かくいう私は、面倒くさい時は歩行グラフィック、気分がノっている時は戦闘アニメ・・・というサイクルになりつつあります。出来栄えを考えると、それでいいのかよ、と思ったりもしますが。ゲーム制作者も人間なので、感情には抗えません(笑)
 とにもかくにも完成優先でやりたいので、あまりこだわりすぎることはしたくありません。が、自分が作りたいゲームの理想像に追いつくためにはクオリティの底上げがまだ必要なので、そこは妥協しないでやっていきたいです。
 長編ゲームって、もちろん製作期間が長いので、それだけ作業が多くなります。ただ、イラストもそうですが、時間が経つと同じものでも見た時の印象が変わりますよね。制作が進むにつれて、作者自身の目や感性もアップデートされていくので、長編ってそんなに悪くもないなーと思ったりもします。
 ただ、以前作った素材を「何かバランスがおかしく見える」と修正を繰り返していると、いつまでたっても完成しないので、そこは自分の中で妥協の線引きが必要だと思いますけどね。

では今回はこのへんで。

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