ダイエット薬の種類と特徴
ダイエット薬は、医療機関で処方される薬で、肥満治療を補助する目的で使用されます。それぞれの薬には異なる作用機序があり、効果や副作用も異なります。
大きく4種類(GLP-1受容体作動薬、SGLT2阻害薬、リパーゼ阻害薬、食欲抑制剤)ほどに大別されます。
非常に効果が高く、危険も伴う可能性もあるので、良く理解して、医師に相談の上、服用することが大事ですね。それぞれの特徴や副作用を見てみましょう。
1. GLP-1受容体作動薬
代表的な薬: リベルサス、オゼンピック、サクセンダなど
作用:
食欲中枢に働きかけ、食欲を抑制
血糖値の上昇を抑え、インスリン分泌を促進
満腹感を高める
特徴:
体重減少効果が高い
血糖コントロール改善効果も期待できる
注射剤が主流(リベルサスは経口薬もある)
主な副作用:
吐き気: 薬を飲み始めてしばらくの間、吐き気を感じることがあります。
嘔吐: 吐き気がひどくなると、嘔吐することもあります。
下痢: 便秘になる人もいれば、下痢になる人もいます。
便秘: 便秘になる人もいます。
胃もたれ: 食欲不振や胃もたれを感じることもあります。
その他の副作用:
低血糖: インスリン製剤との併用時など、低血糖が起こる可能性があります。
膵炎: 膵臓に炎症が起こる重篤な副作用が報告されています。
胆嚢疾患: 胆嚢に石ができるなど、胆嚢に異常が起こる可能性があります。
腎機能障害: 腎臓の機能が低下する可能性があります。
2. SGLT2阻害薬
代表的な薬: フォシーガ、ルセフィなど
作用:
腎臓での糖の再吸収を抑制し、尿中に糖を排泄
特徴:
体重減少効果に加え、心血管系イベントのリスク低減効果も期待できる
よくみられる副作用:
尿路感染症、性器感染症: 尿中に糖が増えることで細菌が繁殖しやすくなり、尿路感染症や性器感染症のリスクが高まります。
脱水: 尿量が増えることで体内の水分が失われやすくなり、脱水症状が起こる可能性があります。特に高齢者や腎機能が低下している人では注意が必要です。
低血糖: インスリン製剤との併用時など、低血糖が起こる可能性があります。
ケトアシドーシス: 血糖値が高い状態でケトン体が増え、血液が酸性になる状態です。特に1型糖尿病患者やインスリンを不足している患者で起こりやすいです。
その他の副作用:
頻尿、多尿: 尿量が増えるため、頻尿や多尿になることがあります。
下肢浮腫: 足にむくみが出ることがあります。
血圧低下: 血圧が下がる場合があります。
骨骨折: 一部の研究で、骨骨折のリスクがわずかに上昇する可能性が示唆されています。
3. リパーゼ阻害薬
代表的な薬: ゼニカル、アライなど
作用:
腸管での脂肪の分解を阻害し、脂肪の吸収を抑制
特徴:
高脂肪食摂取時の体重増加抑制に効果的
油分の多い食事をした際に下痢などの消化器症状が出やすい
よくみられる副作用:
油性の便: 脂肪が消化・吸収されずにそのまま便として排出されるため、油っぽい便が出ることが最も一般的な副作用です。
下痢: 油性の便に伴い、下痢になることもあります。
腹痛、腹部膨満感: 腸内で未消化の脂肪が刺激となることで、腹痛や腹部膨満感を感じる場合があります。
便失禁: 重症の場合には、便を我慢できなくなることがあります。
その他の副作用:
脂溶性ビタミンの欠乏: ビタミンA、D、E、Kなどの脂溶性ビタミンが不足する可能性があります。
頭痛: 頭痛を感じる場合があります。
疲労感: 倦怠感や疲労感を感じる場合があります。
4. 食欲抑制剤
代表的な薬: サノレックスなど
作用:
中枢神経や消化管に働きかけ、食欲を抑制
特徴:
中枢性食欲抑制剤: 中枢神経に作用して食欲を抑制する薬剤。依存性や精神的な副作用が出やすい場合があります。
周辺性食欲抑制剤: 消化管に作用して食欲を抑制する薬剤。消化器系の副作用が出やすい場合があります。
よくみられる副作用:
口の渇き: 口の中が渇く感じがする。
便秘: 便が出にくい。
不眠: 眠りが浅くなる、夜中に目が覚めるなど。
頭痛: 頭が痛くなる。
めまい: 目眩がする。
吐き気: 吐き気がする。
倦怠感: だるい感じがする。
その他の副作用:
高血圧: 血圧が上昇する。
心悸亢進: 心臓がドキドキする。
精神的な副作用: イライラ感、不安感、抑うつ状態など。
ダイエット薬を選ぶ際の注意点
医師の診断: 肥満の原因や程度、合併症の有無などを考慮し、医師が適切な薬を処方します。
副作用: どの薬にも副作用はつきものです。医師の説明をよく聞き、副作用が出た場合はすぐに医師に相談しましょう。
生活習慣の改善: 薬だけに頼らず、食事療法や運動療法と併用することで、より効果的に体重を減らすことができます。
長期的な服用: 長期にわたって服用すると、効果が薄れる可能性があります。
依存性: 一部の食欲抑制剤には、依存性がある可能性があります。
他の薬との相互作用: 他の薬と併用する場合は、医師に必ず相談しましょう。