三下り半「夫婦関係が良好になったきっかけ②」《四コマ漫画+エッセイ》
パートナーの浮気が発覚した場合
した側がされた側に許しを乞い
すったもんだありつつ
元サヤに戻ったり戻らなかったり
それがセオリーなのだろう
と思っていたが
私達夫婦はそうではなかった
発覚時、私は夫を責め、泣き
ビンタを喰らわし
夫が詫びてくるのを待っていた
だが一向にその気配は無い
しばしの沈黙の後
「このままの結婚生活を
続けていくのはもう無理だ!」
私の耳に届いたのは
まさかの三下り半だった
自分の置かれた立場を全く
理解していなかった私は
ひどく狼狽していたはずだ
「かつらの私を受け入れてくれる人」は
「私の全てを受け入れてくれる人」だと
未熟さ故に勘違いをしてしまった私は
結婚を機に光の速さで夫に依存していき
どんな自分も許されると思いながらも
愛されている自信は全く持てず
夫を束縛し、コントロール
するようになっていった
自分に依存してくる人間を
人は尊敬出来なくなり、軽視するようになる
食事にでかけても夫は携帯にしか興味が無く
行動を共にしている時は深いため息を
頻繁につくようになっていた
仕事が終わっても真っ直ぐ家には帰ってこず
私が何を言っても適当な言葉であしらわれ
対等な夫婦関係とはとてもいえない状態だった
正面から向き合うことを避け
互いを尊敬も信頼も出来ない
こんな状態が10年以上続いていた
浮気発覚をきっかけに
互いに積もりに積もった不満を爆発させ
長い時間をかけて話し合い
「私が精神的に自立すること」
「二度と相手の女性と連絡をとらないこと」
が夫婦再生の条件になり
その時初めて
夫は私を傷つけたことに対して
謝罪をしてくれた
「夫婦再生」というよりは
私が自分自身を取り戻す
かなり厳しめな生活がスタートした
相手に依存状態にあるということは
一人で立っていられず
常に相手に寄りかかって生活
しているということだ
相手の一挙一足に振り回され
自分を保っていられず
子供のように癇癪をおこす
常に自分の不満や不安は
夫が解消するべきだと思っていた
大切な人を失う寸前だったことに
私はようやく気がつけたのだった
性懲りも無く
浮気でついた心の傷は
夫が癒すべきだと
主張し暴れる自身の心に
ヘッドロックをかませつつ
自分についた傷は
自分にしか治せないのだ
しっかりせいと
夫に寄りかかり傾いていた身体を
踏ん張って正し始めたのです。
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