目から鱗が弾け飛んだ話「髪の無い私は価値がないという思い込みから脱却出来たのは夫の一言がきっかけでした②」《四コマ漫画+エッセイ》
私は結婚をしており
今年で25周年
燻し銀のような美しさを
醸しだす夫婦の銀婚式を迎えたばかりだ
髪が無いということで
私にとっては恋愛も結婚も
とてもハードルの高いものであり
髪がない私を受け入れてくれる🟰
私の全てを受け入れてくれること
と思い込んでいた
色々拗らせた私は呑気な夫を巻き込み
お互い様な部分も多々あるが
拗れた糸を束ねてまたそれを
拗らせたような、、
そんな結婚生活を長い事
おくってしまっていた
このことはまた今度掘り下げてみたい
互いを想いあい、
一番の味方であると確信を
得られるようになったのは
ここ5、6年のこと
双方のことを大切に想えるように
なったからこそ
夫の何気ない一言が
私のどうにも取り除けない
無価値観を根こそぎ分解して
くれたのだと思う
私には10年来仲良くさせて
もらっている同僚がいる
夫も含め飲みに行くような関係性だ
かつらをカミングアウトせずに
いると細かな嘘をつき続けることになる
美容院はどこに行ってる
白髪染めはどうしてる他云々
適当な嘘で誤魔化すたび
心がザラリとする
「いい加減かつらだって伝えた方が
いいよ、言ったとこで何も変わらないよ?」
夫は言う
「わかってる、、わかってるんだけど
髪が無い自分に価値があると
どうしても思えない、がっかりされちゃう
って怖いんだよ」
夫は呆れ、嫌悪感をあらわに顔を歪ませた
「それ、俺に対してもの凄く失礼なこと
言ってるんだけど」
「・・・・・・・・・・・」
何かが目から剥がれ落ちそうな
感覚にとらわれて私は考えた
もし、私がもの凄く素敵だと思って購入した物を
「何でそんな物買ったの?
何の価値があるの?」なんて言われたら?
とてもがっかりし傷つき
それを言った人も嫌いになるだろう
もし夫に何かの疾患があり
それを理由に「俺にはは価値がない」
などと言われたら
物凄く悲しくて頭にくる気がする
価値のないと言ってる人の側に好んでいる
自分も価値がない人間だと
と言われてるような、、、
私はそれを言われるまで
自分の無価値観は自分個人の感覚であり
誰かに影響を及ぼすものだなんて
これっぽっちも思っていなかった
自分を大切に出来ない人の側にいると
側にいる方も粗末に扱われた気持ちになるのか
自分だけの問題ではないのだと
心から理解出来た時
夫に申し訳ない気持ちと共に
やぁぁっっっと自分に
「髪がないから価値がないなんて
思わなくていいんだ〜」
と許可がおろせたような気持ちに
なったのです
おそらく夫は同じようなことを
何度も何度も伝えてくれていたはずだ
都度私は「簡単に言わないでくれ」
と突っぱねていた
「目から鱗が落ちる」とは
「何かがきっかけて急に物事の実態がよく見え
理解出来るようになること」
おそらく良好な夫婦関係を
築けるようになったこと
それがきっと「きっかけ」だ。