25/01/03 新年のご挨拶&昨年後半の政府の動き
あけましておめでとうございます。
今年もゆるく続けていきます。
年始のご挨拶も兼ねて?、昨年後半の政府のコンテンツ産業関係の動きをまとめました。政府全体の議論の盛り上がりも受けて、補正予算において、相応の金額が措置されていますが、いよいよ議論フェーズから実行フェーズにどう移していくかが重要になってきました。
(1)令和7年度当初予算(案)/令和6年度補正予算
※金額は予算額(案)、()内は前年度予算額
〈文化庁当初予算〉
◯世界に誇る多様な文化芸術の創造・発信 435億円(+10億円、425億円)
→複数の予算事業が含まれますが、主に劇場音楽堂等の総合的な機能強化推進に関する事業が増額。
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunka_gyosei/yosan/pdf/94152801_01.pdf%0A%0A
〈文化庁補正予算〉
◯クリエイター等支援事業 95億円(3年間)
→(独)日本文化芸術振興会(芸文振)の「文化芸術活動基盤強化基金」を活用。
→①コンテンツ分野における産学官連携による教育機関の機能強化支援、②コンテンツ創造・海外展開のための実践的な社会人育成支援、③一元的な情報発信・相談・調査研究機能を強化するための体制強化等を実施。
※その他、デジタル化支援、AIを活用した海賊版対策、デジタルアーカイブの事業、メディア芸術ナショナルセンター関係の予算も計上。
※後述の経産省補正予算含め120億円
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunka_gyosei/yosan/pdf/94149501_02.pdf%0A
〈経済産業省当初予算〉
◯コンテンツ海外展開促進事業 7.1億円(▲約4億円、11億円) ※文化庁との共同要求
→2つの事業で構成されています。
→①国際的な枠組み等に基づく正規版流通の促進、②海賊版対策の推進。 ※いずれも委託事業
https://www.meti.go.jp/main/yosan/yosan_fy2024/hosei/pdf/r6_pr.pdf
〈経済産業省補正予算〉
◯クリエイター事業者支援事業(事業化、海外展開促進) 95億円
→5つの事業で構成されています。
①クリエイター・事業者海外展開促進事業(長期制作支援) ※芸文振基金を活用した長期間制作に係る支援事業
②クリエイター・事業者海外展開促進事業(翻訳広報支援、ロケ誘致、デジタル支援) ※補助事業
③クリエイター・エンタメ・スタートアップ事業 ※補助事業
④クリエイター・エンタメ構造改革事業 ※委託事業
⑤海賊版集中対策事業 ※委託事業
※その他、(株)日本貿易振興機構の関する「地域経済の成長につながる対内直接投資促進及び海外展開支援事業」の具体的な取組として、「海外エンタメ流通コアネットワークへの接続」という記述が含まれる。
〈総務省当初予算〉
◯「製作・権利処理・流通」の好循環による放送コンテンツの製作力強化・海外展開推進 2.9億円(2.6億円)
https://www.soumu.go.jp/main_content/000984928.pdf
〈総務省補正予算〉
◯海外展開に資する高品質コンテンツ製作促進事業 11.8億円
◯放送コンテンツの海外展開促進に向けた配信PFに関する実証事業 9.4億円
◯放送コンテンツ等のネット配信の促進に関する調査研究 1.0億円
◯放送コンテンツ製作取引における相談・紛争解決促進事業 0.4億円
https://www.soumu.go.jp/main_content/000982558.pdf
〈観光庁当初予算〉
◯文化資源を活用したインバウンドのための環境整備 約84億円 ※国際観光旅客税財源より充当
https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001854639.pdf
(2)政府内での審議会・研究会
◯内閣官房 コンテンツ産業官民協議会(第1回)・映画戦略企画委員会(第1回)(令和6年9月9日)
◯内閣府知的財産戦略本部 構想委員会
→第1回は10月7日、第2回は12月12日に開催。本委員会は、国の知財戦略を定める「知的財産推進計画2025」に繋がっていく会議。
→また、11月15日には「AI時代の知的財産権検討会」の「中間取りまとめ」も公表。
◯経済産業省 エンタメ・クリエイティブ産業政策研究会
→第1回は11月6日、第2回は12月19日に開催。
→第一回の趣旨紙には、産業振興の意義・課題認識の共有をはかり、官民のアクションプランを取りまとめる、こととされています。第二回では、早速音楽分野、ゲーム分野におけるアクションプラン案を提示。
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/entertainment_creative/index.html
(3)その他
◯経団連 Entertainment Contents ∞ 2024 - Act Now! -
→2023年も出していた提言の第2弾。内容に大きく変わりはないものの、より具体的なアクションを求める内容にトーンが変わっています。
◯文化庁「The Japanese Art Market 2024」
→文化庁が実施したアート市場に関する調査。以前から実施しているものですが、今回は「6.経済的影響」において、雇用者数の推計、付随する消費支出、経済効果や波及効果に関する更なる推計の必要性を示唆するなどした点が、新しくかつ重要かと思います。
◯公正取引委員会 音楽・放送番組等の分野の実演家と芸能事務所との取引等に関する実態調査 (クリエイター支援のための取引適正化に向けた実態調査)について(12月27日)
→内閣官房の議論でやることになっていた調査が年末に公表されています。
本日のサムネは、「巳年に大きく飛躍し、世界を席巻する日本のエンターテイメント」