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ビジネス100冊本とアートとタロット

一部界隈では話題になっていたビジネス100冊本が届いたので早速読み終えた。本というものは興味があるうちに速攻で読むに限る。


「なにをVtuberの切り抜き投稿者がビジネス本のレビューをしとるんじゃ」と思うかもしれないが、その指摘は残念ながら正しくないだろう。
著者の堀元見(ほりもとけん)氏は、一度だけVtuberの堀元みえるちゃんになっているのだから。
……いや、設定上は本人ではなく妹だったっけ?
まあそんな細かいことはどうでもいいか。

この本はビジネス本を100冊読み込んだ著者が、そこから得られた教えを1冊の本にまとめたものだ。

思えば自分が著者の堀元見氏を知ったのは2年前のAbemaでのことだった。
ビジネス本を100冊読んで人生が変わるかを試している面白い男がいる!という触れ込みの動画だ。

そこから著者自身のブログを見に行き、「落合陽一先生をイジり倒した記事」を見て完全にハマった。(堀元見氏はこの一件でNewsPicksを強制退会させられている。それもまた面白い)

その後ゆる言語学ラジオビジネス本を読む配信の切り抜きなどを見てきた。ゆる言語学ラジオは1年でポッドキャストの上位に上り詰めた凄まじいコンテンツなので、ぜひとも見たり聞いたりしていただきたい。
知識欲がある人なら確実にハマるだろう。
この成功は、行き当たりばったりではなくちゃんとしたコンテンツを作ろうという真面目さが生んだ結果だなあと思う。

いい加減、本の内容について語ろう。
書店のビジネス本コーナーに行くと、最近は「50冊のポイントを一つに!」とかいうタイトルの本が目に入ってくるのではないかと思う。
そういった本は色々な本に書いている内容をちょこっとだけ取り出して1冊にまとめ、「これだけ読めばいいよ!時間短縮できて良かったね!」という感じの本ばかりだ。

しかし本書、「ビジネス書ベストセラーを100冊読んで分かった成功の黄金律」はそれらとは違う。
いや、同じと言えば同じなのだけれど、本書はビジネスに役立つことを順序立てて明快に教えるというよりは、基本矛盾する教えや変な教えを面白おかしく紹介する本である。

例えば本書が教える27の教えのうち、
教え23は「ひとつのことをやり続ける」だが、
教え24は「ひとつのことをやり続けない」である。

「矛盾してるじゃないか!」と思うだろうが、ビジネス書というのは著者の成功体験が好き勝手に書かれたものが多いので、100冊集まればこういうことが頻発する。
それを著者が有料noteで生活できるレベルの文章力を駆使して紹介するのが素晴らしく面白いのだ。
たまに挟み込まれる神社本の存在は良いスパイスになっていてたまらない。

ページをめくるごとに笑えるビジネス書というのは始めての体験だった。
内容に冷笑することはあれど、単純に面白くて笑えるビジネス書というのはそうそうない。

もちろんそんな内容が続くだけでなんの実入りもない本なのかと言えば、そうでもない。そこそこちゃんとした結論は出てくる。

面白いし、単純に学びのある本だなと思った。
自分みたいにあまり本を読んでこなかったタイプの人達は、なんとなくビジネス書を読み漁る前にまずこの本を読んでおくことで、偏った思想に陥らない下準備が出来るだろう。

そして本書が伝える「自分で考える」という教えに関して、「自分だけの答えが見つかる 13歳からのアート思考」という本が引用されている。

この本は素直に良い本なのだが、自分が購入したきっかけはKindleのオススメ欄に突然出てきたから。購入日時を見るに、恐らく当時中田敦彦氏が動画で紹介したから本が売れて、Kindleアプリで表示されるようになったような気がしてならない。
良い本だからよかったけど。

その引用部分によると、
アート鑑賞は、「自分だけの視点」で、「自分だけの答え」を見つける訓練だという。

自分がこの章を見てシナジーを感じてしまったのが、そう、タロットカードである。

タロット占いに必要なのは多少のカードの知識と、「そのカードに対して自分が何を感じたか」という自分の視点である。
過去に大神ミオ氏も言っていたが、カードに書かれた何に注目するかで結果は変わってくる(という占い方もある)
審判のカードで、天使を見るか、復活した人を見るかで結果が変わるというように。

審判のカード

人によって各カードから受ける印象も違うだろう。
赤色が気になったり、背景の兵士が気になったり。表情が怒って見えたり。
ある意味で自分で物事を決めていくトレーニングになっているとも言える。

そして最近図書館で借りてきた2007年発行の「完全マスター タロット占術大全」201ページには、「多くのタロティスト(タロット占いする人?)において、タロットは未来を予言するものという認識は皆無であり、カウンセリング的な目的が主体となっている」というような記載がある。

これはなかなか思い当たる節があると言うか、納得が出来ることだ。
たとえばカードで過去を意味するカップの6が出たからこそ、過去に何かあったかをわざわざ考えるのである。
普段別に考えもしないことを、占いをすることによって考える機会が与えられるのだ。
「ああ、過去にこんな事があったな、そういえばこれが悩みの元かもしれない…」というように。

タロット占いをしていると自分自身で考える能力が身について成功する…?

過言か。


長々と語ってきたが、素直に読み物として面白かったので買って良かったなと思う。
今までずっと配信を見てきたのもあるし、驚くくらいすんなり購入してしまった。1500円の本なのに。
見事にプロセスエコノミーに乗せられたと言えるだろう。
もちろんコンテンツの良さあってのものなので全然問題はないけれど。

本書の中で紹介された本で買いたくなるものもあったので、これはまた時間が取られることになりそうだ。ビジネスどころか働いてないのに。

そんなわけで興味の湧いた方は是非御一読を。

きっとこの本が、新天地へ向かう魔法のコンパスとなることだろう――


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