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カリフォルニアのご当地グルメからイタリア系移民の歴史を知る

旅をしていると、食文化がきっかけになってその国の文化や歴史に興味を持つことがあります。

料理からその土地の歴史を知る楽しさを教えてくれたのは、カリフォルニア州のサンフランシスコの名物の一つ、チョッピーノスープ。

チョッピーノスープは、トマトベースのシーフードスープ。具沢山に入ったシーフードは食べ応えもあるし、魚介の旨みとハーブの香りはトマトスープに馴染み、優しい味がする。
そのスープとシーフードをガーリックブレッドとあわせて食べる。日本人にも食べやすく、美味しくて何度も食べたくなる料理だ。

Taddich grillのチョッピーノスープ

ふと、この美味しい料理はどうやって生まれたのだろうかと気にって調べてみると、元々はイタリア系移民の漁師さんの賄い料理だったらしい。賄い料理から、今日の様々な具材が使われた食べ応えのあるスープになったことも興味深かったのだけれど、気になったのはイタリア系の移民の歴史。

イタリア領でもなく、ヨーロッパからアクセスしやすい東海岸でもないサンフランシスコに土着した理由はなんだったのだろうか。

そのヒントを得ようとイタリア系移民の歴史を見ていたら、どうやらイタリア系移民の歴史は大航海時代から始まっているようだ。

長くなるので、なぜサンフランシスコだったのか、の答えになりそうな歴史を抜き取ると、1910年頃のイタリア国内の情勢や不況が有力だろう。この頃に渡米したイタリア人は、主に南イタリアからきていた。南イタリアと言えば、漁業が盛んで温暖な気候。漁業が盛んで他の地域に比べて温暖なサンフランシスコに母国の影が見えたのかもしれない。

この南イタリアの人々によってイタリアの文化が活発に持ち込まれていたことから考えると、おそらくチョッピーノスープはこの頃から食されていたのだろう。

チョッピーノスープがイタリア系移民にとって心理面でどんなものだったのかは分からないけれど、この少し後に、宗教観の違い等からイタリア系移民への人種差別や排斥運動が始まった歴史をみると、困難を超えて今日の地位を築いた移民の先人方の逞しさと勇気を、このスープを通して感じた。

1000文字にまとめられない歴史を無理矢理にまとめたので文章が飛躍していますが、カリフォルニア州サンフランシスコの名物のチョッピーノスープから、イタリア系移民の歴史を知って、先人の逞しさと勇気を感じたというお話でした。

イタリア系移民に興味を持った時、旅先で出会ったカリフォルニアン達に尋ねたり、歴史を調べてみたら、ここでは取り上げなかったけれど、いくつもの興味深いお話が見つかりました。

この記事では移民国家アメリカの名物をテーマにしたので、文化と文化が混ざった食文化の話になりましたが、日本の名物をテーマにしても、その名物が名物所以やその歴史を掘り下げてみると、面白い発見があると思います。
名物料理について、気づきなどありましたらコメントで共有して頂けたら嬉しいです。

最後までお読み頂きありがとうございました。

素敵な週末をお過ごしください。

Natsu

参考URL▼
https://bancroft.berkeley.edu/collections/italianamericans/exhibit.html

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