拝啓 日本茶インストラクター様
私は、日本茶の専門家である『日本茶インストラクター、アドバイザー』の方に対し、日本茶を楽しむ専門家である『日本茶ペアリング茶彩師』を提唱したい!との想いで、活動をしています。
(日本茶インストラクター、アドバイザー=以下、日本茶インストラクター)
私、石司麻美(いしづかあさみ)は、静岡に生まれ育ち、小さい頃から日本茶に親しんで育ってきました。日本茶は毎日当たり前のように飲んでいましたが、20代前半で中国茶に触れたことがきっかけで、茶処静岡で日本茶をきちんと学びたい!仕事にしたい!と思い、茶業界に飛び込みました。
日本茶インストラクター10期生であり、日本茶カフェ、日本茶販売、製茶問屋などで経験を積む中で、次々と日本茶の奥深さ、本当の可能性に気が付きました。
しかし、そんな日本茶の素晴らしさをもっともっと発信したい!と思えば思うほど、男社会の茶業界では出る杭は打たれ、時には「小娘のくせに生意気だ!」などと言われたことも...。
確かに、こだわりのお茶を作る職人としては男性の力も大きいのですが、お茶を購入するのはほとんどが女性です。常日頃から、女性視点で日本茶のことを考えていました。
今までは、日本茶を飲んで楽しむという「主役」としてだけ考えていたものを、日本茶を食べ物を美味しくするという「名脇役」でもあると考えることで、より幅広く日本茶を楽しむことができるのです。
つまり、日本茶の本当の可能性とは、食べ物をより美味しくできるお茶であること。それを「日本茶ペアリング」と呼んでいます。
静岡は茶処であるが故に、お茶の「職人」が多い町。美味しいお茶を作る職人さん(生産家さんや茶師さん)はたくさんいるのですが、実際にお茶を楽しめている人がいるかどうかは別の話だと、茶業界に10年以上いて強く感じました。
そして、静岡県の取得者が一番多い日本茶インストラクター制度は、そもそも急須で日本茶を淹れることの普及を目的に作られたもの。日本茶の基本的な専門知識を得ることはできますが、そこだけで学べるお茶の飲み方、楽しみ方は十分ではないのです。
日本茶インストラクターは『日本茶の専門家』
日本茶インストラクターがを取得することで得られること
・日本茶の歴史、栽培、製造、効能、インストラクション等、日本茶に関する基礎的な専門知識(王道である知識)を身につけられる。
・資格取得者同士の交流やイベントなどに参加できる。
・日本茶関係、カフェ、ホテル、等の職業従事者にとって、はく(自信やプライド)がつくことでお客様に安心感を持ってもらえる。
・お茶淹れ教室を実施できる。
以前、私が「日本茶のファンを増やすためには、急須だけにこだわっていたら限界があると思うのですが...。」
と日本茶インストラクター協会のある幹部の方に尋ねたところ、
「私もそう思うね。そもそもインストラクターの制度って、急須での淹れ方の普及のために作ったからね。でも時代は変わっていくからね。」と答えてくれました。
その方は、日本茶インストラクター制度は完璧なものではなく、もっと日本茶の多様性や楽しみ方を広げていくべきだ、との考え方だったのです。
その言葉に納得し、私は自分自身で日本茶の可能性を広げる活動を行うことを決めました。
日本茶インストラクター講座に足りない点
日本茶インストラクター講座は、日本茶の専門的な基礎知識を学ぶことができますが、日本茶を誰もが日常で楽しめるようにする(=ライフスタイル化させる)ということに関しては弱いと思っています。
日本茶インストラクターは、あくまでも急須で日本茶を淹れることの普及。そのため、急須を持っていない方でも、淹れ方が難しく感じる方でも、そして食事を含めたあらゆるシーンで気軽に楽しめる方法をお伝えすることで、日本茶の普及の幅がより広がると考えています。
日本茶の可能性を、急須の中だけに閉じ込めておくのはもったいないと思うのです。
日本茶のポテンシャルの真実をご存じですか?
日本茶はお湯出しと水出しで違った効能、味わい等、正反対の二面性を持つ
日本茶インストラクターの講座では、主に急須を使ってお湯で淹れる方法を中心に学び、活動をしています。
しかし、日本茶はお湯出しと水出しで違った効能、味わいになるという二面性を持った、世界中の他のお茶とは明らかに違う特徴があるのです。
日本茶はあらゆる食事に合わせられる
日本茶が、紅茶、中国茶、コーヒーなどと大きく違う点は、「旨味成分」が多いところにあります。
この旨味成分は、だし文化で発展した和食だけではなく、フレンチやイタリアン、中華など、あらゆる食事を美味しくすることができます。
また、食事の合間に日本茶を飲むことによって、口の中がさっぱりしつつ、旨味成分が食べ物の味わいとなじんだり、引き立てたりすることで、食事の味わいをより楽しめるのです。
日本茶は味覚を磨くことができる
日本茶の旨味成分は、唾液分泌を促して味わいをより感じることができるようサポートし、味覚を磨きます。日本茶を水出しすることで、この旨味成分がしっかり抽出され、唾液分泌を抑えてしまうカフェインの抽出は減るので,
味覚を磨くためには「水出し」することをおすすめします。
また、お茶と食べ物をペアリングさせてしっかりと食べ物を味わおうとすることで、咀嚼回数も増え、今まで気づかなかった味わいや香りをキャッチできるようになります。
ペアリングを行う時の味わい方の一つの提案として、「味覚音感」という味わいの変化を時間経過で感じる独自のメソッドを講座内で学びます。
日本茶はハーブやスパイスとの親和性が高い
香りが穏やかな日本茶は、ハーブやスパイスとの相性の良い飲み物です。香りは豊かだけれど味わいが物足りないハーブにブレンドすることで、味は日本茶、香りはハーブというお互いの良さがブレンドされたお茶、ハーブ緑茶になります。
こういった理由から、私は日本茶インストラクターの活躍の場をもっと広げるための、「日本茶ペアリング茶彩師」という資格を開設しました。
日本茶ペアリング茶彩師は『日本茶を楽しむ専門家』
日本茶の水出しの活用法や利点が分かる
日本茶のお湯出し、水出しの正反対の効能、味わい等を理解することで、日本茶の活用や提案するシーンや年齢の幅がぐっと広がる。
日本茶に新しい可能性を感じられる
日本茶は正反対の二面性を持つこと、あらゆる食べ物に合わせられること、お茶の中では世界で唯一の発明品であることを知り、日本茶に対する捉え方が変わる。
今までと違った食事の楽しみ方ができる
日本茶は和食に限らず、洋食や中華など、さまざまな食事に合わせられるため、日本茶ペアリングによって今までの食事の味わいがよりいっそう深まったり、複数の日本茶をペアリングすることで、食事の楽しみが豊かになる。
味わうことや、味覚の大切さがわかる
毎日の食事をきちんと味わうことは、心と体の健康につながることがわかる。日々の食べ物や食べ方で、病気と健康が分かれてしまうと言っても過言ではない。
味覚力を高めることができる
日本茶ペアリングで味わい方を身につけると、自然と今の自分に必要な食べ物、不要な食べ物(濃い味のもの、食品添加物、精製食品、人工甘味料など)がわかってくる。
新たな健康意識が生まれる
テレビやインターネットでは、健康に関する情報が溢れ、健康食品やサプリメント市場も年々大きくなるが、食生活の良し悪しに直結する「味わい方」を改善しようとする人はまだまだ少ない。日本茶ペアリングを行うことで味わい方が変わり、そして食べ方が変わることで食生活や食意識が変わり、健康につながる。
日本茶ペアリングの可能性がわかる
さまざまな食べ物と日本茶のペアリングだけでなく、お茶と人、お茶とモノ、お茶とコトなどとのペアリングへと発展させられる。
日本茶とハーブやスパイスとのブレンドを楽しめる
日本茶と食べ物のペアリングはもちろん、ハーブやスパイスとのペアリング例も学ぶことができる。
飲み物としての価値がいっそう高まる
日本茶が食べ物を美味しくできるということを知ると、飲み物としての日本茶の価値がより高まり、顧客単価の向上にもつながる。
日本茶を使った新しいイベントが展開できる
・日本茶を水出しにするとカフェインレスになるため、お子さまから年配者まで、そして時間を問わずに提供できる。
・水出しの日本茶は作り置きもできるため、何種類もの日本茶を大人数の方へ提供することもできる。
・日本茶ペアリングという、新しい食育としての提案ができる。
日本茶ペアリング茶彩師資格取得・オンデマンド講座の内容
日本茶ペアリング茶彩師資格講座は、以下の内容となっています。
講座は、オンデマンド動画と教材(テキストと8種類の日本茶)、各自でご用意いただくソースやスイーツを使って日本茶ペアリングを学びます。受講期間中は何度でも動画を見直すことができるので、ご都合の良い時間に学ぶことができます。
【教材】
●テキスト:1冊
●茶彩師ペアリング用 日本茶セット:1セット(8種:各60g)
石司麻美が実際に足を運んで厳選した、製法別6種+バリエーション2種の、計8種類の日本茶のセット。
※受講期間内(受講開始から半年以内)に規定のレポートを提出いただいた方に、修了証を発行いたします。
カリキュラム
❶茶彩師とは
茶彩師の役割
❷日本茶はスーパー飲料
淹れる温度で「エナジードリンク」にも「リラクゼーションドリンク」にもなり、料理の味わいも深められる日本茶の魅力を学びます。
❸日本茶の水出しテイスティング
教材の日本茶8種の水出しをテイスティングしながら、日本茶の分類や個性、選び方などを学びます。
❹水出しの淹れ方
水出しの方法、メリットを学びます。
❺ソースとスイーツの選定
日本茶ペアリングを行う際の味の捉え方の基礎を学びます。
ご自身で用意していただくソースとスイーツの選定法をお話します。
❻相性表の作成
ティーペアリングジャッジ基準を使い、ソースと日本茶の相性、スイーツと日本茶の相性を実践で学びます。
❼味覚音感で味わい力を磨く
味覚音感という、味わいを音楽のように捉える捉え方で、味覚意識を高める料理の味わい方を学びます。
❽ティーペアリングの留意点
日々の食生活に応用できる、料理やスイーツの味わい方とペアリングのコツを学びます。
❾ハーブ緑茶ペアリング
日本茶にハーブを加えることで、より広がるペアリングの楽しさを学びます。
また、日本茶にアレンジやカスタマイズをすることで、日本茶の楽しみ方の可能性を体験します。(※教材にハーブは含まれません。)
❿ワークショップ
❶~❾までに学んだことを復習しながら、イベントやワークショップで活用できる日本茶ペアリングのお話をします。
茶彩師資格取得・オンデマンド講座
日本茶は元々、革新的な飲み物だった!
伝統と革新から生まれた日本茶(永谷宗円さんは改革者)
永谷宗円さんが煎茶製法を開発するまでは、抹茶に代表される緑色のお茶は、上流階級のみ口にすることができず、一般庶民は茶色のお茶を飲む人が多かったのです。
永谷宗円さんは、このきれいな緑色が変わらないお茶を作りたい、そして村の人たちの仕事を増やして生活を安定させたい、との願いから、約15年もの歳月をかけ、青製煎茶製法を編み出します。しかし、新しいもの好きの江戸に売りに行ったときでさえ、「こんな緑の青臭いお茶なんか飲めない!」と多くの方に言われたそうです。今でこそ当たり前に飲まれている煎茶ですが、当時はとても新しく革新的な飲み物だったのです。
現在は、この煎茶の伝統を守るために急須で淹れることこそが大事なんだ!という意見もありますが、改革者の永谷さんは、新しい日本茶の楽しみ方をきっと望んでいると私は思っています。
江戸時代にはなかった冷蔵庫を活用する水出し方法
また、江戸時代には冷蔵庫はなかったため、水出しで楽しむという飲み方はありませんでした。また、水出しした日本茶を電子レンジで温めれば、カフェインレスのお茶として夜でも、カフェインが苦手な方でも楽しむことができます。文明の利器も上手に活用して、楽しみ方の幅を広げていきたいですね。
日本茶の可能性をペアリングで広げていきたい
食が多様化してきた現代において、ペアリングによって食べ物と日本茶の味わいを深めることで、より日本茶の価値を上げることができます。
日本茶の新しい楽しみ方をひとりでも多くの人にお伝えする事で、日本茶の価値に気づいてもらうのが、私の、茶彩師の使命です。
日本茶ペアリングの可能性
ここ数年、お酒を飲まない方も増え、ノンアルコール飲料のひとつであるお茶の市場、そして飲食店などでのティーペアリングの需要はますます拡大していきます。
日本茶がスーパードリンクとしてその素晴らしさを発揮するためには、日本茶に関わる方が新しい世界へ飛び込めるかにかかっているのです。
しかし、現状では、お店やその人独自の感覚に頼ったペアリングがほとんどで、「学び」や「啓蒙」といった形では広く確立されていません。
そのような状況だからこそ、すでに日本茶の専門家である日本茶インストラクター、アドバイザーの皆様さま、日本茶ペアリングの先駆けとして、これから活躍が期待される日本茶ペアリング茶彩師の仲間になりませんか?
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