#240 優しくないミーティング動画を応募前に見てほしい
好きな日に連絡無しで働くエビ工場、パプアニューギニア海産代表の武藤北斗です。
私は『誰にでも優しく良い人』だと勘違いされることが多いです。働き方を評価してもらっているからだと思いますが、実際は優しく良い人なのではなく、会社として利益をだすためには争わない組織にする必要があり、そのための手段がどうも良い人と勘違いされるようです。
要は考え実行しているシステムは良いのですが、私自身の人間性とは関係ないと思っているわけです。
実際の私は自分の感情に振り回される人間なので、家族にはすぐ怒るなと注意され、従業員のみんなにも隠しきれない圧があると言われています。
ですがメディアで紹介される私の印象が強い人は、大なり小なり良い人だと思っていることが多いです。もちろん取材でも包み隠さず話してはいるのですが、限られた放送時間内ですし、編集の過程でどうしても良い人に見える作りになってしまうようです。
伝えるってなかなか難しいなと、そんなことをずっと考えていたところ、ミーティング動画にこんなコメントがありました。
冒頭だけ紹介しますと『テレビでの紹介で感じた「自由で先進的な働き方」という印象と全く正反対の印象をこの動画で受けました。勝手な幻想だったようでショックです』と。
話を進める前に一応ことわっておきますと、コメントをくださった方に嫌な気持ちは一切ないです。逆に褒めてくださっていることまでありますし、正直に穏やかにコメントを頂いています。自分の気持ちを振り返るきっかけを頂き感謝しているくらいです。本当に心からです。
では話を戻します。
ショックを与えてしまったのは申し訳ないと思うのですが、動画を見返してもいつもと同じことを話している自分がいるだけでした。反省するとすれば、ちょっと感情が入り過ぎており、口調がいつもより強いことでしょうか。
しかし最近はそんな自分も認めるようにしています。リーダーである私も1人の人間だし、完璧は無理だなと。
そして試行錯誤のすえの厳しい面は大事だと考えています。『いつでも穏やかに優しく』というのは実は一生懸命働く人からは評判が悪かったりもします。
緩めるところと締めるところのバランスがとれていない組織は人間関係や力関係が乱れ、必ず争いがおきます。そしてそんな組織は一生懸命働く人、細かくルールを守る人にとっては働きづらい職場になることが分かっているからだと思います。
瞬間的な感情は危険ですが、試行錯誤の上での厳しさは意味があると信じています。
もちろん私が全て正しいわけではないし、私のやり方に違和感を持つ人が間違っているわけでもありません。それぞれの考えや組織のあり方は違うはずです。
だからこそ、その人その人の考えが生きてくる職場があり、逆に死んでしまう職場があります。多様性の一言で全てまるくおさまるというのは幻想にすぎないとすら思っています(ここはまた今後深堀します)。
例えばですがパプアニューギニア海産では『フリースケジュール』などのルールを作る中で、従業員同士の接点が少なくなりそれをいかすルールを作っています。ここに『同じ釜の飯を食ってこそ真の連携ができる!』という考えの人の意見が生きてくることはあまりないと思います。
ですから正しい正しくないはひとまず置いておいて、意見が分かれそうな組織としての根本的な考えやルールなどは先に知っておくに越したことはないはずです。
と、ここでミーティング動画に冒頭のコメントを頂いたことが生きてくる気がしたのです。
メディアの印象が強すぎる人が幻想を抱いたままパプアニューギニア海産に就職してしまうことを防ぐことができるのは、まさにあの動画をみてもらうことではないかと。
就職してから知っても遅いですし、もし働いている職場を退職などしていたら、これは本当に悲劇でしかありません。
ということで今後は応募条件の一つに「ミーティング #74を視聴する」を入れることにしました。
最後に。
現在パートさん募集の面接は1時間を超します。そしてその7割は私が話しています。その人の過去や経歴にはあまり関心がなく、会社のことをマイナス面も含めて知ってもらい、ここで一生懸命働く気持ちがあるかどうかを問うているからだと思います。
こんな考えのリーダーがいる会社で働きたい。争いのない組織を本気で目指す会社で働きたい。そんな人と出会えることを楽しみにしています。
パプアニューギニア海産
代表取締役工場長 武藤北斗
・パーティーにあればテンションアップ間違いない!!
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