週明けからあまりにも状態が悪すぎて泣きそうな呻き声をあげながら目覚めて自分自身が怖く消えたい誰か助けてととりあえずパートナーにすぐ連絡した。
午前中で彼は外で仕事の打ち合わせをしていた。
夢の中の私はひたすら自分の親に狂ったように怒鳴り喚き散らしていて自分でこれはまずいと片隅で理性が働いているのに止まらなかった。
ずっとこの手の夢を時々みる。
そして父親に殺されそうな夢を何十年も時々み続けた。結婚後も寝ながら魘されている私にパートナーはすぐに気付いてその度に「ほくなさん!ほくなさん!」と声をかけては現実に引き戻してくれた。
「俺がいるこっちが現実だよ」
と。
もうかなりまずいところまで来てしまっているので私は本当に自分をこの世に繋ぎ止める事で必死で最近は大きな予定のない日は必要最低限のことしか出来ていない。
特に自分をずっと隠すことが出来る日の次の日の反動が酷すぎてかなり自分自身を生きていることがきつい。
これを書いているということはやっと書ける状態の自分に落ち着きつつあるということで本当に一つ何かを間違えたら自分はもう死ぬという手前まできているのだというのがわかる。
私は過去何度か同じようになったので自分がどれだけよろしくないのかがわかる。
昔は一人だった。そして若かったので知らないことがあった。誤魔化せるものが多かったのでそれをやっていれば私自身を騙せた。
今、それなりに生きていると誤魔化せるものが明らかに少なくなっている。今までにやってきた誤魔化しが通じなくなっているのが理解できるので病院は変え、病院でも今までの家庭環境をこれでもかという勢いで赤裸々に伝え、どうしようもないのでパートナーに言わないつもりだった状態も全て話した。
私は病院通いもあえて週1にさせてもらい、毎日薬を飲んでいるが効いていないのでもうとにかく他人に居場所を求め増やすしか誤魔化せないと思っているので恋人を探しているし、女風に行って人間貸しをお金を払ってでもして今までの自分を知らない家族ではない誰かといることでしかもうこの世界に自分を繋ぎ止めておくのが無理だと思っている。
だから数日前に我が子のお友達とお友達のママが来てくれて本当に助けられた。しかも嘘が少なそうなおそらくほぼ素の人間で生きていそうな見た目も美しく素敵な人となりが会話から伝わるくらいの自分より10歳も下の女性だったこともあり、話しながら存在に救われていた。
こんな風に話せる女性も世にまだいるのだということに。
自分が妬まれていないのがわかった、彼女はかなり年下であり彼女自身が美しく彼女自体が今のパートナーに確実に愛されているのだろう。だから私を比べていない。自分自身をもっている女性なのだと話せば話すほど伝わりこんな風に子供を産んだことで出会える女性の人間がいることに感動していた。
かなり状態が酷い週明け月曜日だったが無理矢理子の習い事の為に園に迎えに行くのだが最近は状態が悪いので予定より30分以上迎えが遅れる最悪な状態になっていた。
保育士からの注意を覚悟でしかし私はそれどころではない中で子育てしているのだと園に言うわけにもいかないし私の現在の状態は園にとっては関係がなさすぎる。
子の顔を見ながら無理矢理作り笑いをしどうにかモチベーションを上げようとするがそれも余裕がなくなってきている。
頓服を最大で飲んでいるが間に合っていなく服用の間隔を完全に無視して大量に飲みたかったがどうなるかわからないので迂闊にそれは出来ない。
この子がいるので私は今死ぬわけにはいかない、この人間は賢いので私が自死したら確実に人格形成に大きな影響を与え人生を大幅に変えてしまう、私のように大きな闇を彼に与えてしまう、絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だこの連鎖は自分の代で絶対に私が死物狂いでおしまいにする。この連鎖を殺す。私は子供を生むと決めた時に、いや、自分が未来で子供を産む場合は絶対にそうするとずっと決めていたことだ。
この遺伝みたいな希死念慮(希死念慮は遺伝性ではない、それは医学的に証明されているが結局家庭環境が影響を及ぼすのでメンタルクリニックで絶対に過去の家庭環境を聞かれる)は私で私ごと消し去ってやる。
私の父は心に闇を抱えていた。
彼は私の子供の頃に急に家から何日もいなくなることを度々繰り返した。
ギャンブルでしか自分を誤魔化せなかったのだろう、当時は今みたいにネットもないし逃げる手段が少なかった。
知らぬ間に大金を借りて借金を作り、それは共働きだったから返せた上に私は貧困ではなく過ごせたがかなり生きた心地がしていなかったが子供に行き場なんてないのだ。小学校があってよかった。
学校に行っている間はまだ他の子と同じような子供を装う事ができたからだ。
だから空ばかり見て、何かあればいつでも家を囲っていたフェンスを越えて走り逃げ出す姿をいつも想像していた。
漫画は私に偽りの世界と幸せな世界を沢山与えてくれた。
漫画があって良かった。
なかったら死んでいたのかな、私。
父が家出すると車がその度に家からなくなって郊外に住んでいてあれこれすぐ近くにないので車で移動できなくなるので不便だった。
彼が急に家に帰ってくるのも私には恐ろしかった。寧ろ帰ってこないほうが怯えずに暮らせた。
彼は賢かった。
何でも大多数の人間より努力せずに出来てしまっていた。
見た目も長身の目鼻立ちが整っている人間でかっこよかった。仕事も出来た。彼は一見完璧だった。
そうであるが故に自分の希死念慮に向き合ってしまったのだろうと今となってはよく理解できる。
時々急に帰ってきた父には首を絞めたが死にきれなかった跡があった。
父の母は父の子供の頃に他界していたらしいがその死因を一切母に明かさなかった。
おそらく自殺だったのだろうと母が幼い私に話していた。
多分そうなのだろうなとやはり今の私には理解できる。
そして私の見た目は祖母に似ているらしかった。
当たり前だ、遺伝子はとても残酷だと思う。
生まれ変わりなんてものがあるなら私は父方の祖母の生まれ変わりかもしれない。
そんな馬鹿みたいな事を考えた頃もあった。
でもな、
生まれ変わりなんてねえよ
バーカ!
と言ってやるよ。
この世界で私は今だけ。
今世だけだよ。
私という人間も一人しかいねえよ!
と叫ぶ。
前世も来世もねえよ。
そんな世界誰も経験していないからあるのかどうか知らないからだよ。
だからそんなものはない。
子の習い事の見学中に「今の私はかなりまずい」とパートナーになんとか連絡をした。
「何かあったら言って。心配してる」
とパートナーから返信が来た。
私は返信した。
「絶命したい」
「に、なってしまう」
「避けたい」
「今必死で避けてる」
と続けた。
夜もパートナーになにか自分に出来ることはないか聞かれた。
そしていくつか希死念慮を回避する行動を提案をされたが私は首を左右に振った。
「私はもうそういうレベルの所にいない」
「自分で何度も消えようとしたからわかる。
そういうところで私は救われない
私が私を救うために今の自分にとって最適な事を
選択しない限り私の状態は変わらない」
私は更に続けた。
「もうあなたに出来ることはあなたの人生で全てやってもらった。
でもそれでも私は消えたいのなら別の人間に居場所を作るしかない。
もうそれでしか生き続ける事は難しいと考えている」
もっとより具体的に私の絶望を見つめ掬い取るように側にいてくれる人でないと私はもううっかり死ぬだろう。
しかも私は理解している。
それは私と同じ様な感覚で生きている人間でないと駄目なのだ。
だから非常に人探しに厄介な事になっている。
より最適な
今の私の絶望を見つめ
「それに似たような絶望を自分も知っている」
と言えるような人でないと無理だ。
本当に凄く彼には側にいてもらっている。
今もそうだ。
ほくなさんがこの先も生きれるならしたいことは全部すればいい、と言う。
私は少し笑いながら伝えた。
「私はもう言われなくても勝手に自分が生き延びる為の事をやるよ、非人道的な事以外で」
絶望
希死念慮
を
抱き締め続けるしかないと
諦めながら。