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#003 The Gathering Place

ホノルル空港に早朝の便で到着して、離島への乗り継ぎ待ち。中庭に下りてぼんやりしたり、回廊のベンチで行き交う人々を眺めたりして過ごすことが多いんですが、そういうわたくしのような人間から餌をもらうことを目当てとする野鳥の姿も多く見られます。

時間つぶしの退屈しのぎに写真を撮ったりもするものの、野鳥マニアというわけではありませんから、具体的な鳥種の同定に情熱を割かぬまま、お蔵入りになってしまうことも多い。
トップの写真は、そんな中から発掘してきた一枚です。2020年撮影。

もともと逆光気味で撮っていて、オリジナルではほとんど真っ暗で何の鳥やらまったく分からん状態だった写真を、スマホアプリで補正を加え、ズームアップして識別できるようにして、さてこいつの正体は?と調べてみたんですが。

ハワイ/鳥/頭/黒い といったキーワードでググってみたものの、画像検索の結果には、それらしいものが上がってこない。うーんどうしようかな。

改めてよくよく姿を見てみると、顔立ちとか胸の模様とか、頭の逆毛とか、そういったところが、ウチにリンゴの皮を食いに来るヒヨドリにも似ている気がする。

ウチに来る奴。ちなみに日本のヒヨドリは 固有種に近い珍種なんですってよ。

ならばということで試しに、ズバリ「ハワイ/ヒヨドリ」で検索してみたところ、一撃ヒットでした。

シリアカヒヨドリ。尻の赤いヒヨドリ。なるほど確かに。
これでまたひとつ、自分の世界が広がりましたよ。

インドあたりを原産とする鳥で、1950年代の中頃に オアフ島で飼い鳥が無許可に放されたことがあって以来、オアフ島では外来種として定着しており、農作物に深刻な被害を与えているらしい。
国際自然保護連合の、種の保全委員会が定めた「世界の侵略的外来種ワースト100」の一つに選ばれている鳥でもあり、駆除の対象なんだそうです。

それにしても、世界の侵略的外来種ワースト100、ってまあじつにえらい傲慢な言いっぷりですな。そもそも人間のせいなのに、もう少し謙虚な表現はないものか。

本稿タイトルの「The Gathering Place」は、オアフ島の公式なニックネーム。「集いの島」ってことでして、例えばこんな事情も知ったうえで勘繰ってみれば、いろいろ示唆的な愛称でもありますね。

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