『動的平衡ダイアローグ』読後感想
小学館新書
『動的平衡ダイアローグ』9人の先駆者と織りなす「知の対話集」
著者:福岡伸一
生命とは何か?
そう問われたら、私は、動的平衡である、と答えたい。
相補性を維持しつつ、分解と合成を繰り返し、あやういバランスを保つこと。
少し前にNHKで、「最後の講義」という番組を見て、福岡伸一さんが講義をする回を見た。
それで興味を持った福岡さんの上記の著書を読んでみた。
・小泉今日子さん
・カズオ・イシグロさん
・平野啓一郎さん
・佐藤勝彦さん
・玄侑宗久さん
・ジャレド・ダイアモンドさん
・隈研吾さん
・鶴岡真弓さん
・千住博さん
上記の錚錚たるメンバー(9人)との対話集。
(2012年から2013年の対話に小泉今日子さんとの対話を追加したもの。)
福岡さんの本の中から、私がこれを選んだ時、分子生物学者である福岡さんが、俳優・作家・僧侶・研究家等、それぞれの世界でトップランナーでもある様々な方と対話することの不思議さがあった。
しかし、簡単に肩書の決められない(色々な面で活躍されているという意味で)人々との対話であるから、話の世界がどんどん広がり、いろんな視点で物事を見るきっかけになった。勿論、福岡さんとの対話であるから、「動的平衡」と絡めた内容になることが多いが。
動的平衡とは、という点は前出のNHKの番組で何となく輪郭をとらえていたが、それぞれの人との対話と通してさらに(少しではあるが)理解が進んだように思う。(実際の順序で言えば、対話のあとに、10年以上経ってNHKの番組が撮影されたと思うが)
対話形式なので、読みやすかった。ただ、話の広がりは壮大で、この方たちとのその後の対話もぜひ読みたいと思うものだった。
(既に10年以上経過しているので、カズオ・イシグロさんがノーベル文学賞を受賞したり、隈研吾さんが東京オリンピックのメインスタジアムを設計したりと、それぞれの方にその後が続いているから)