自動筆記/2024.11.21(3分間)
まだそこで世界を夕暮れにしているのに、実際のところ見えていたのは白い靄だった。隠れて散歩していたはじまりはいつもさっぱりしていて、消えない感情ばかり増えていくのが嫌で仕方なかったのだ。背中には小さな棘が刺さっているのを知っている。苦しいときに考えていることを夢の中に持ち込んでみて、それでもなにも終わらないと気づいた。ここにいる人たちはみんな笑顔で息が苦しくなった。たのしいは怖いと知ったのはいつからだろうか。立っている場所がどうしてもゆるくて、このまま沈んでいくことをひとつの企みとするひとがいるのにも納得した。些細なことが指先を冷やす。交換日記を続けていたひとはいつのまにか宝箱の奥に詰め込まれてしまった。花が咲いていることを世界の誇りだとでもいうかのようにただそれを眺めているだけの神様にうんざりした。太陽はいつもここできみを待っているのに、都合のいいことばかり言って聞こえないふりをしていた。手の込んだかたばみを透かしてみて、それがようやく嘘だと知った。塊はいつもかたちがあった。どこまでも透明なのだ。冬の悲しみみたいに。