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「ICTで変える国語授業」出版記念イベントに参加しました。

2019年2月24日。

お茶の水女子大学附属中学校にて「ICTで変える国語授業」出版記念イベントに参加しました。

この本、都留文科大学の野中潤先生が、Facebookで「本をつくりたい」とつぶやいたことから始まった嘘のようなプロジェクト。

野中潤先生は、留文科大学教授。1962年神奈川県茅ヶ崎市生まれ。東京学芸大学大学院修士課程修了。2016年3月まで聖光学院中高教諭。世界的なムーブメントになっている教育イベントedcampを鎌倉や都留で開催。Edcamp Japanのメンバーとして全国各地のedcampを支援しています。


野中潤先生についてのその他の情報はコチラ 

この度野中先生が編著された書籍がめでたく出版されまして、その記念ワークショップに参加してきました。

どちらかというとICTと一番縁遠いといわれる教科、それが国語です。国語は縦書きでなくてはいけない、黒板は手書きでなければならない、文学作品をしっかり味わなくてはいけない、と様々な国語あるあるが存在する教科。

その国語から教育ICTの実践例が出されたということが画期的!

目次

・豊福晋平先生の講義
・品田先生のワークショップ
・野中先生のクロージング


イベントの最初は国際大学GLOKOMの豊福晋平先生の講義から。

豊福晋平先生は国際大学グローバル・コミュニケーションセンターの主幹研究員をされています。「情報社会の学びを実現する情報化の文脈に注目し、現実的な教育課題を解決に導くことを目標」(HPから引用)とされている研究者。

豊福 晋平 | 国際大学グローバル・コミュニケーション・センター...www.glocom.ac.jp

切れ味鋭い文章で、この欺瞞に満ちた教育ICT業界を切って切って切りまくっています。内容はTwitterでご確認を。

タイトルは「SAMRモデルによる教育情報化のフレームワーク」。

内容は3つ。

・教育情報化の課題とその解決

・学校のデジタル・シフトとデジタル・ディバイド

・SAMRモデルとデジタルシフト


 まずは教育の情報化の課題から。情報化の方針や導入仕様を明確化したい。・関係者をうまく説得したい。・利活用の品質を高めたい。・学校のブランディングを活かしたい。教育関係者の中では共通の悩み。しかしなかなか実現することは難しい現状です。

さて、そのような日本の教育現場と比較して世界の情勢はどの様になっているのでしょうか?PISA(OECD生徒の学習到達度調査)ではいつも上位を占めている日本。

しかし・・・

学校でのICT活用度合いは、ほとんどすべての項目で10%以下。47カ国・地域中最下位レベル。(豊福晋平先生の資料から)

校外での学習用途もすべて最下位レベル。(豊福晋平先生の資料から)

そして極めつけはこのグラフ。縦を校内のICT活用、横を校外のICT活用。これを2009年、2015年で比較したもの。2009年では黄色の矢印の左下にある日本。他国に大きく離されています。(豊福晋平先生の資料から)

ところが2015年には依然として左下。しかも他国に大きく離されています。日頃発展途上国と思っている東南アジアの国々などにもどんどん離されている現状!これはやばい!この危機感を学校現場や家庭は共有しているのでしょうか?

 次に、学校の立ち位置が大きく変化している点。学校は従来の知識を独占していた状況ではなくなり、より充実した学習経験を提供する場所へと変わってきています。これはiPhoneの登場により、デジタルシフトが起こり、それまで複数あったメディアが統合されました。(ラジカセ、テレビ、ワープロなど。)これにより日常の情報量が数百倍になりました。こうしてスマホが生活から切り離せないキーデバイスになったのです。これをデジタル・シフトと呼びます。

そして学校と家庭とのICT利用のギャップが生まれています。これをデジタル・デバイドと呼ばれるものです。つまり家庭では当たり前に使われているテクノロジーが、学校では意図的にICTを家庭から切り離している、という歪みが生まれています。

つまり学校のICT利用状況を家庭に合わせることが、ギャップを埋める手段、ということなのです。

 最後にSAMR(セイムアー)モデル。

今学校はどこにいて、どこまで行きたいのでしょうか?

教育の発展段階を4つに分けます。

S(代替):授業の小道具を変える。ノートからタブレットにかえる。

A(増強):日常的にICTを活用(情報量が増大)。試験問題をネットで検索すること、など。

M(変容):検索したものを分類する。問われる知識を体系的に理解。

R(再定義):学習者が試験問題を作成。

ちなみに文科省はS段階を想定しています。

重要なところはMとR。今までの学習ではない、未経験の学習目標と対決する項目になります。

つまりメンバー間の意識共有が必要で、ゴールイメージと現在の立ち位置を明確化することが重要になります。

次に品田健先生(聖徳学園)によるワークショップ。

品田先生についてはコチラ

STEAM教育の専門家。今回はApple Pencilを使ったiPadの手書きの活用方法を学びました。

iPadのプレゼンアプリ、Keynoteを使います。

線描画というツールを使ってApple Pencilで書き込んだ内容が筆順から再現。

これは様々な授業場面でで活用できる!

 最後は野中先生のクロージング。野中先生のモットーは「TTPS」

TT:徹底的に

P:パクって

S:シェア

この野中先生のメンタリティはすごい!大先生でありながら、まだ他人に学び実践する姿勢、ぼくもTTPSしていきたいと思います。

そしてもう一つ。今年の野中ゼミのテーマ曲は・・・

WANIMAの「やってみよう」

僕もまさに「やってみよう」と挑戦する気持ちを持ち続けたい!と心から思った一日でした。

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