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【授業紹介】高校社会の授業開き Vol.1 パラダイムシフト

パラダイムシフト

高校社会科の授業開きの際に最初に話すことは、歴史上に現れるパラダイムシフトについてです。

最初の問いは「令和と平成で変わったことは何か?」。

平成後半の時代しか知らない生徒たちですが、次々と答えが出てきます。「親の世代はSNSがなかった」、「YouTubeがなかった」、「消費税が安かった」、等々。

次に一つの表を提示します。

平成元年(1989年)と令和4年の世界時価総額ランキング⬇️

世界のトップ50の企業に、日本企業が並んでいる表です。
1位は日本電信電話(現在のNTT)。
そしてトップ20社のうち、14社が日本企業。
その中心が銀行などの金融関係です。

しかもトップ50社のうち32社が日本企業でした。

ところが令和4年(2022年)の時価総額ランキングは激変します。

この表を見た生徒たちからため息が漏れます。
Apple、Google、MicrosoftのようなIT企業が上位を占め、トップ20社の中に日本企業がなくなっています。

50社の中にもトヨタが31位で1社あるのみ。

(2023年のデータではトップ50社の中にとうとう日本企業の名前は無くなってしまいました。)

次に生徒に示すデータは、30年前の1位であった日本電信電話の時価総額(1600億ドル)と現在の1位のAppleの時価総額(約3兆ドル)の比較です。

ポイントは30年間で世界は17倍以上経済成長したということ。

それでは「なぜ日本企業だけが成長できていないのか?」。

生徒たちの答えの定番は「少子高齢化」。
しかし同じように少子高齢化しているドイツや韓国は経済成長をしています。

そして次に見せる写真はiPhoneの写真


2007年にiPhoneが登場して世界が変わりました。
これ以降、2010年にiPad、日本のYouTubeが2007年、Facebook・Twitterが2008年に登場します。LINEが登場したのが2013年、Instagramが2014年、TikTokが2016年です。

生徒たちはこうして2007年に世界が変わったことを実感します。

このように常識が一変することをパラダイムシフトと呼ぶことを説明します。

また歴史で教わった大航海時代やルネサンスなどの従来のパラダイムシフトは50年や100年かけて変わりましたが、現在のパラダイムシフトはわずか数年単位で変わっていくことを伝えます。

そして2020年以降、私たち自身が新型コロナウイルスの流行の中でパラダイムシフトの真只中にいることを理解するのです。

日本だけが経済成長しなかったのか、の答えはVol.2へ続く

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