はんぶんこ
小さい頃は「はんぶんこ」が嫌いでした。
おいしいものは最後まで全部ひとりで食べたいし、
ひとつの物で遊ぶときに時間を「はんぶんこ」なんてもってのほか。
でも、おとなしくて真面目な長女の私はいつもきちんと守って「はんぶんこ」
それなのに弟はいつも何かしら言い訳をして「はんぶんこ」を守らなかったなぁ。
それでも文句を言えない私。
だって、言っても母に怒られるだけだもの。
お決まりの「お姉ちゃんなんだから」とか
「少しは我慢しなさい」とか。
「はんぶんこ」して欲しかったのはピアノの練習時間くらい。
気づけば大人になって自分の好きなものは自分で買えるようになり、
おいしいものは全部食べられるし、
何か楽しいことをするのにも好きなだけ時間が使えるようになって、
「はんぶんこ」から解放されました。
そして年子の娘たちにはなるべく「はんぶんこ」を言わなくて良いようにお揃いのものを揃えたっけ。
でも最近は、
色々な種類のものを少しずつ食べたいなぁというワガママな気持ちがむくむくと湧いてきて。
家族には積極的に「はんぶんこ」しようよと言うようになっていました。
みんな「いいよ~」って言ってくれるけれど本当はどう思っているのかな?
「はんぶんこ」が出来る家族がいるありがたさ。
嬉しさ。
そんなことにもほっこりしあわせな気持ちになります。
本当は「はんぶんこ」ってしあわせなことだったのですね。
いいなぁ。
「はんぶんこ」
何回も言っていると何だか可愛い響きに聞こえます。
「はんぶんこ」
このパンは長女と「はんぶんこ」しました。