見出し画像

ほっかいどう暮らし209 室蘭市 ジャンボ焼きそば

先日の休日の朝のこと。

「そろそろ大掃除に取り掛かろうか」なんて考えていたら、ご近所の飲み友達のゆういちさん(40代後半)からメッセージが届きました。

突然コクられたものの、昨年の暮れに独身に戻ったゆういちさんはいいかもしれないが、僕には妻がいる。そこで

「気持ちはうれしいけど、そういう趣味はありません」

と丁重にお断りをしたら

と返ってくる。

ゆういちさんの話によると...

「昨日仕事関係の忘年会があった。楽しくお酒を飲んでいたのだが、一緒に飲んでいた仲間の一人がとても酔っ払ってしまった。

たまたま家が同じ方向だったので、ゆういちさんが送って行く事になった。足元もおぼつかないほどグデングデンだったので、仕方なく肩を貸してやった。

店を出たところで、その酔っ払いが段差に足をとられひっくり返った。不幸にもその下敷きとなったゆういちさんは...」

と、いう事らしい。

メガネの予備もなく、裸眼で運転はできなので眼鏡屋まで乗せて行ってほしいとの事。

特に急ぎの用事もないので快諾すると、どこから聞きつけてきたのかご近所の飲み友達のコーイチさん(50代初め)が「俺も行くっ」と言ってきたので、3人で出かけることになりました。

車の中で、再度昨夜の詳しい話を聞きました。一通り話し終えたゆういちさん

「あぁ、あの時

時をかける少女かっっ!!

そんな話をしながら20分ほどで眼鏡屋さんへ到着。

せっかく僕たちがついてきているので、ゆういちさんにちょっとだけイメチェンをしてもらおうといろいろ試みたのですが

僕たちの意見をことごとく拒んだゆういちさんは、結局今までとあまり変わり映えのしない眼鏡を購入していました。

眼鏡の出来上がりまでしばらく時間がかかるそうなので、お昼ご飯を食べに行くことにしました。

おじさん達が、「ラーメン食べに行こうぜ」、「いやいやカツ丼でしょう」なんて言い合っているのを聞いて、僕が

「相変わらずB級だねぇ~」

なんてからかったら

「じゃあ、あんたは何が食べたいのさっ!」

「正直に答えなさいよっ!」

と言い返される。「正直に」と言うので、自分の本心に問いかけた結果

くくっ...ビーフシチューくらい言えばよかったか...。

それでも「焼きそば」と聞いてコーイチさんが

「この前動画で見たんだけどさぁ、『室蘭焼きそば』がうまそうだったな」

と言い出す。

コーイチさんによると「室蘭焼きそば」とは

『モチモチ麺に甘辛ソース、キャベツの代わりに白菜が使われている』

のだそうである。

う~む、焼きそば好きの僕としてはぜひ食べてみたい...。

ゆういちさんも乗り気で「食べに行こうぜっ!」と言うので、そのまま国道36号線を1時間半ほど走り

室蘭市へ。

コーイチさんが動画で見たのは『室蘭焼きそば うずら』というお店らしい。さっそく調べてみると...

札幌のお店じゃないかっっ!!

そこでおじさん達、言い争いを始めたのですが...

誰が悪いという事ではなく、要は3人ともアホである。

2人のやり取りを聞きながら、僕はあることを思い出していました。

それは以前、室蘭出身のご近所さんで『太っちょのK』さんが言っていた

「味しんの焼きそばは、室蘭で一番うまい」

という言葉。

それを2人に伝えたところ

ゆういちさん 「あの〇〇が言うんだから、うまいに決まっている」

コーイチさん 「間違いないねっ!」

そこですぐに検索して、伺いましたのは

食事処 味しん さん

僕たちはタイミングよく3人並んでカウンター席に座れましたが、次々にお客さんが入ってきてお店の中で席が空くのを待っていました。

壁に貼られたメニューを見ながら

「室蘭風焼きとり」が入ったカレーラーメンも気になったのですが

ここは「創業以来変わらない味」の焼きそばを、しかもお客さんのほとんどが注文していた『ジャンボ焼きそば』を注文しました。

室蘭のお土産などを検索しながら待つ事15分、登場いたしましたのが...おおおっ!

ジャンボ焼きそば

大きな鉄板からはみ出しそうなくらいに盛られていますっ

麺の量も多いのですが、思いの外具沢山。豚肉、エビ、玉ねぎ、ピーマン...

モチりとした麺に絡む独特のソースがおいしい。ちょっと甘目で奥深い味わい...う~む、うまいっ!!

やはりキャベツではなく白菜が入っています。シャキっとした歯ごたえで、甘く感じます

ごちそうさまでした。ボリュームいっぱいでしたが、ペロリと完食いたしました。

お店を出た後は、妻へのお土産を買いに「富留屋 中島店」さんへ寄りました。

富留屋さんは明治31年創業という、室蘭で1番古いお菓子屋さんなのだそうです。

人気の「バター煎餅」と「チーズ煎餅」を購入しました。素朴で優しい味わいは、昭和21年の発売以来変わらないのだそう。きっと妻も喜んでくれるでしょう。

さて、その後はまた1時間半かけて眼鏡屋さんに戻りました。出来上がった眼鏡の掛け具合を調整してもらい、帰ろうとしたらもうすっかり夕方になっていました。

そこでコーイチさんが

「このまま飲みに行こうぜっ。帰りの代行代くらい俺が出してやるよ」

と言い出す。ボーナスが出た直後のコーイチさんは羽振りがよい。

「それなら」と、家から少し離れたチェーン店の居酒屋さんに寄りました。

飲み始めは穏やかだったものの、仕事でストレスが溜まりまくっているコーイチさんが途中から...荒れる...

酔っ払って散々グチっていたコーイチさんですが、最後は

...酔いつぶれてしまいまいた。とても一人で歩けるような状態ではありません...。

置いていくわけにもいかないので、お店の人にお願いして運転代行を呼んでもらいました。

僕がお金を払っている間に、ゆういちさんがコーイチさんに肩を貸して先にお店の外に出ました。

その時、コーイチさんが玄関の階段の段差につまずくっ!

あぁっ!ゆういちさん、早くっ..

タイムリープを使ってっっっ!!

おしまい

(札幌の『室蘭焼きそば うずら』さんは期間限定営業だったそうで、現在は閉業となっております)




いいなと思ったら応援しよう!