放射線技師の本音。7
本日は、被曝線量についてお話ししていきます
我々放射線技師の仕事で必要不可欠な
『X線』ですが
主に使われている装置には
◉レントゲン撮影
◉CT検査
◉胃バリウム検査
◉大腸バリウム検査
◉その他透視検査
◉骨塩定量検査(骨密度)
◉放射線治療
◉マンモグラフィ
などの検査です。
ここで一つ考えてもらいたいことは
X線を使う各種検査は
みんな同じ被曝線量なのか?
という部分です。
結論を申し上げると
被曝線量は各々異なる
です。
それはなぜか?
一番わかりやすく説明するのであれば
私たちが目にするX線を使った画像は
実はX線が照射されて人体を通過したものを
見ているからです。
となると、
痩せている人で丁度いい線量だとしても、
同じ線量(ここでは電流mA)を太ってる人に照射した場合
通過する量が極端に少なくなる
という原理は何となくわかりますよね?
X線が照射された先に届かなければ
画像にならないのです。
CT検査も同じ原理で
360度方向からX線を照射して画像再構成処理をした後に我々が普段みる画像になりますが
同じく線量が少ないと
(痩せている人と同じ線量で太っている人を撮影したとき)
ザラザラした画像(ノイズの多い画像)になったり、
診たい部分が見れない無意味な画像になってしまいます
(最近のCTは、X線量を自動で調整する機能が付いているので、あまりこういった事はないですが、古いCT装置なら充分あり得ます)
【太っている人の撮影は被曝線量が増える】
の他に
実はもう一つ問題になってくるのがあります。
それは造影剤を使用したCT検査の時です
血管(大抵は腕の静脈)から急速に薬を注入することによって
各臓器の染まり具合を経時的に診ていく検査ですが
注入する薬を造影剤と言います。
造影剤は、体重別で量が決まっている施設が多いので
◉痩せている人の造影CTは少量の造影剤で
◉太っている人の造影CTは大量の造影剤で
というような具合になっています。
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※裏話ですが
病院の収益を優先した病院の場合、
体重関係なく大容量の造影剤を使用している場合があります。
まとめて仕入れたほうが、安く購入できるのと
大容量の造影剤のほうが、単価が高いからです
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ということで、
上記の事を踏まえると
痩せているほうが
より体に優しい検査になることは間違いないです。
が
太っている事で得することも実は有ります!
それは
内臓脂肪が特に多い人の症例ですが
痩せている人のCTを読影する場合
臓器や腸管が密集していて
大腸癌があった場合見つけづらい!
ということが多々あります。
内臓脂肪が多いと
臓器や腸管の間に脂肪組織がたっぷりあるので
診やすい画像になります。
ということで、
体型によって、一長一短はありますが
ほどほどの体型で健康な生活を心掛けていきましょう!!