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介護福祉事業所の人事労務戦略室 ~次世代リーダーを育てる 連載第19回 「雇用定着の労務管理イロハ【新入社員②】」

こんにちは。ラボ事務局の杉田です。
今週もラボ代表及川による「介護新聞」連載企画(第19回)をお届けいたします。
第19回のテーマは「雇用定着の労務管理イロハ【新入社員②】」です。

前回第18回の記事では「新人をフォローすべき4つのタイミング」の2つ目までをご紹介いたしました。今回の記事では残り2つのタイミングと、新人教育を行う上での叱る・褒めるの割合や注意点についてお伝えいたします。

ぜひご留意いただきたいのは、私たちが新人の頃に育った環境や価値観と今の新人の方々が置かれている環境や価値観は、私たちが想像している以上に違うということです。

自己の経験に照らし合わせて「自分もこれくらい言われていたから」と同じような育成をしていたのでは、いつの間にか新人がメンタルをやられてしまっている、といったことに陥ってしまいます。

ぜひ本記事に目を通していただき、新人育成の参考にしていただけますと幸いです。

介護福祉事業所の人事労務戦略室 ~次世代リーダーを育てる
連載第19回 「雇用定着の労務管理イロハ【新入社員②】」

 前回に引き続き、新入社員をフォローすべきタイミングについてです。
 3つ目のタイミングは入社1カ月後です。組織へ定着していく大事なタイミングとなります。入社1カ月がたつと、身の回りの困りごとが少なくなり、職場ルールや文化にもなじんできて、少し余裕がでてくるものです。そのタイミングで改めて、「採用時の初心」を思い出してもらいましょう

 具体的には「面接時にどういった期待を伝え、新人もどういった気持ちや期待を持って入社してきたのか」を改めて思い出してもらうのです。その上で「3年後どうなりたいか?」といった中長期の目標を確認した上で、「じゃあ1年後はどうなりたいか?」「半年後はどうか?」「3カ月後はどうか?」「2か月目は?来月は?」といった具合に、中期から短期への落とし込みをしましょう。

 初心と目標を改めて思い出させることが、長く組織に定着するきっかけとなりますので、きっちり新人と向き合うのが重要です。「前職と比べて、うちの会社が改善する点はないか?」といった意見も大事です。外部からの目線に触れることで、会社の現状が客観的に見えてくるからです。入社から時間がたってしまうと前職の記憶が薄れ、今の会社に染まり始めてしまうので、入社後1カ月くらいのタイミングがベストです。

 最後入社3か月目のタイミングです。3カ月もたつと、特に経験者であれば職場に慣れて活躍し始めていることでしょう。それと共に初心を忘れ、日々の仕事がルーティン化していくタイミングでもあります。

 改めて「なんでこの会社に入ったのか」という面接時、入社時のビジョンを思い出す時間をとりましょう。内容は、入社1ヶ月のタイミングと同じです。改めて組織と新人とのビジョンの共有を進めていきましょう。こういったすり合わせが、組織と新人とのギャップを解消し、定着につながっていきます

 新人教育は「褒める」を中心に置くのが定着への近道です。なぜなら、新人はすぐに活躍できないことが多く、失敗するのが通常です。ただでさえ自己肯定感を失っている状態にもかかわらず、「できなかったことを叱(しか)る」のは極力避けましょう。新人はさらに自信を無くし、居場所を失い、職場から離れていきます。

 具体的には、入社半年くらいまでは「褒める7対叱る3」といった割合を意識し、基本的には「褒めて伸ばす」というスタンスをとります。そうすることで、新人も自己肯定感を保て、職場に居場所を作れるようになります。こういった積み重ねが、人材の定着につながります。

 しかし、すべてが褒めるだけでは十分ではありません。叱らなければ、自分に何が欠けているのか、どの部分が問題を抱えているのかを把握するのは困難です。ただし、ポイントが2つあります。1つ目は叱られた意味を理解し、それを改善する能力(精神的な成熟度)と向上心を持てること。2つ目は叱る側と叱られる側の間に信頼関係が存在し、目的や目標が共有されていること。

 それでも、叱ることが相手の拒絕反応を引き起こすことがあります。人間は誰でも、自分の行動やライフスタイル、自己イメージと矛盾する情報を与えられると、抵抗しようとします。そのような生理的拒絶反応を最小限にとどめ、冷静に気づかせるためには、叱る理由を明確に伝え、相手の人格を尊重し、行動や事実だけを叱ります感情的に怒鳴りつけたり、相手の人格を否定したりするのは避けるべきです。

 また、1度叱ったときには少なくとも5回は褒めることを心がけてください。人によっては心を閉ざし、それ以上相手の言うことを素直に聞けなくなることもあります。叱る行為の最終目標は、成長を助けることであるのを忘れずに。

介護新聞6/9付「介護福祉事業所の人事労務戦略室―次世代リーダーを育てる!!」
http://wwu.phoenix-c.or.jp/~medim/kaigo/2023/202306kaigo/kaigo20230609.html

今週もご訪問いただきありがとうございました!
また次回、第20回の記事でお会いしましょう!

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