姉御の教え ~交渉編~
私が『姉御』と呼んでいた会社の先輩から教わった「交渉術」。
交渉相手に『YES』と言わせるには…。
まず、誠意を尽くしての直接交渉。
それが、相手方のプライド等のつまらない理由で暗礁に乗り上げたら、それ以上の無駄な時間と手間は使わない。
すぐに「外圧」の準備に取り掛かる。
相手の頭が上がらない人を探し出して、その人にそれまでの経緯を手紙に認め、説得をお願いする。
上手く行けば儲けもの。もし駄目な場合でも交渉相手には「何をするか分からん不気味な奴」と認識される。これが大事。
手紙の文例は、検索すればすぐ分かる。
下書きを繰り返し、音読して推敲する。
文面が決まったら、高価な封筒と便箋を用意して万年筆で丁寧に認める。これ大事。
そして上手くいったら、すぐに礼状を認める。これも大事。
早速実践した。驚くほど上手くいった。
姉御曰く「権力者は、権力を使いたがっている」。だから上手くいく、と教わった。
そんな姉御が離婚時に諸々の交渉に失敗。
酒場で、私が「ダメですやん」と突っ込むと、「仕事以外にも絶対に使えると思ったのになぁ~」とさんざん愚痴られて、「じゃあ、どうすれば良かったのよ!」と延々カラミ酒につきあわされ、八つ当たりされた。
<了>