現実逃避に海を目指したくても
遠くに、遠くに行きたくなる瞬間がある。たいていそれは「〆切」というプラカードを掲げた何かに追われているときで、やらなければいけないことが両肩に重くのしかかっているときだ。そういうとき電車に乗っていると、降りる駅を通り越し、終点まで電車に揺られて、降り着いた先でまた乗って、乗り継いで乗り継いで、海にたどり着きたいと思う。行き着く先は絶対に海で、山でも川でもなければ全然知らない街でもない。絶対に、どんなときも必ず、ただ海なのだ。
海を見て、ぼ〜として、波の音を聴いて、砂浜を歩