私たちは文化的で最低限度の生活がしたいだけなのに。それってそんなに難しいこと?

メジャーリーガーや監督は、
時々試合を(中略)家族のイベントで休むんです。
彼らは立ち会いたいんです、一生に一度の子どもの成長の記念日に

……でも、その試合を中継している日本側のアナウンサーや解説者がそれについてなんて言うかというと
「ああ 奥さんが怖いんでしょうねぇ…」

毎日ほぼ終電近く帰る兄に
母は言う、頭おかしいやろ
母の弟は言う、俺もそうや
私は思う、父もそうだった
深夜帰り冷たい飯を喰らい
汚れを落として汚れに行き
そうして父は他人になった
貴方にとって大切なのは何
幾度となく繰り返される問
長い物に巻かれたがる民族

安い賃貸に住んでいながら
生活音が我慢できない大人
所動作音の煩い粗雑な大人
苛立ちを込めて叩かれる壁
お互いに貯まるのはstress
叩くなら扉を叩けばいいの
お隣同士になったのもご縁
一緒に夕食でもとらないか?
どうせそんなことできない
シャイで独りよがりな民族

安さと捨て易さに拘った物
どれひとつ私の物ではない
ただ私の生活に必要なだけ
萎れたスーパーの野菜たち
ルーティンで回す毎日の食
だんだんと自分自身こそが
安くて捨て易いモノになる
これが(百円)均一文化か

ああ目覚めて美しい食器に
色とりどりの温かい朝ご飯
香り立つコーヒーの向こう
愛しいあなたと笑いながら
太陽を浴びボーッとしたい
それを怠惰と言うのかしら

ああ夕焼けを見たのはいつ?
赤い炎にワインを透かして
愛情たっぷりの新鮮な夕食
あるいは何かショーを見て
満たされ優雅に眠りにつく
それを贅沢と言うのかしら


「だめだもう寝なくちゃ明日も仕事」
「いらない行かなきゃ仕事に遅れる」

どれだけ時代が変わろうと
(時代は"進む"のではない)
身分制度が廃止されようと
私たちは奴隷のままらしい


私たちはただ、
文化的で最低限度の生活がしたい
それだけなのに!
それこそが至高で、
それはあまりに難しい。

冒頭は、
「ミステリと言う勿れ」田村由美 より

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