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恐ろしき当然世界|為事探し日記⑤

④で具体的行動を実行したことで、精神疲労は半端なくてズタボロになってすごくしんどいけど、2つ分かったことがあるのでまとめておく。
部下が突然辞めたいといって驚愕あるいは困惑している方、
体制や処遇の不満でやめたいと思っている方、ぜひ一読してほしい。

1.体制批判を理由にした退職が困難な理由

体制批判でやめるのは大変だと見聞きはしていたけれど、今回実際に自分で体験するまで、本当のところで理解できていなかったことが分かった。
退職まではいかなくても、サラリーマンなら何かしら処遇や仕事に不満はあるだろうと思い込んでいて、一定の共感は得られるだろうと思っていた。
ところがどうだ。

体制批判で退職したことがない人には、
体制批判で退職する理由が分からない
のだ!Σ(゚Д゚)

しかも、どうやら本気で分かっていないようだし、言葉を尽くしたところで分かるわけでもなさそうだ。
両者のあいだには越えられない滔々と深い溝がある。

「耐えられない」こと、その程度・範囲は人によって様々。
いま会社にいるひとは全員、あなたが「耐えられない」と思っていることなんかは何でもないことなのだと思っているほうがよいでしょう。
現在会社に在籍している人は全員理解してくれない前提で覚悟を決めないといけない。

長年、家庭より会社を優先してきた人・会社に自分を合わせてきた人と、会社よりも自分や家族を優先する人・自分が人生の主軸である人とは到底分かり合えないと思ってかかったほうがいい。

相談するなら絶対、転職経験者。

2.あなたの「当然」は、誰かにとっては「頭おかしい」

父親かそれ以上の年齢の上司様たちと独りで戦った。全身が震えてまともに歩けないくらい辛かったけど、これは私の独立戦争であり、自分の獲得のために避けて通れない道と思って歯を食いしばって立っていた。……私の主張はあまり呑み込まれていないようだったけど。

帰りながら1日の出来事を何度も反芻していて、
あ、あのひとたち、世間を知らないんだな、って気づいた。

自分の会社と仕事だけをもってして、
会社って、仕事って、”こういうものだ”と無意識に定義してしまっている。
「世の中にはいろんな仕事がある」と言いつつも実のところ分かっていない。誰もが自分を中心とした当然世界で生きることになる。
それが、家と会社の往復の恐ろしさ。

さらに恐ろしいことに、深夜遅くまで仕事して、家族が起きる前に出社してる仕事熱心でまじめで部下思いな方こそそうなりやすい。
それに対してどうこういうつもりはない。
ただただ悲しいな、と思う。

働き方改革が必要なのは、そういうところなんだと思う。

わたしは新聞を毎日読んでいるから大丈夫?新聞って、新聞社って会社に勤めている人が書いている、新聞を読むような人向けの読み物なんだよね。そう考えるとけっこう閉じた世界ともいえると思うの。市井の人々や現場の生の声や本音、世間や世界のリアルな変化は、自分の肌で感じるしかないのだ。

「あそこ退職金ないんだって」「それは頭おかしいな」と大真面目にうなずく一度も退職を考えたことのない大企業のあなた!自分が満足している環境で部下がそれを批判して辞めたいといっても驚いちゃいけませんよ?

会社・国・民族、あらゆるところで誰もが自分を取り巻く体制に順応している。
自分では意識すらしないところで。

あなたの「当然」は、誰かにとっては「あたおか」。
でもそれは指摘されないと気付かない。
だから多くの人と関わらなきゃいけない。
"あたおか"が何か知っていたほうがいい。
常にアンテナを張ってなきゃいけない。
新しいことを追い続けるのはしんどいけど、生きている限り頑張らなくちゃいけない。
ついていけないと思うのは、接触時間が短いせい。
世界は常に回っているんだ。
忘れるな、ほかる。

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ところで、
上司様たちも上記のようなことは当然分かっているようで、「俺たちは当たり前と思って気づかないことがあるかもしれないから少しでもおかしい思ったことがあれば言ってほしい」とよく言うけれど、発言自体は的を得ているから続けてほしいが、2点ほどコメントさせていただきたい。

ひとつめ、「当たり前と思って気づかないことがあるかもしれない」
→全事象と考えていたほうが良いです。”あるかも”レベルではありません。多すぎて言いきれません。

それから、「おかしい思ったことがあれば言ってほしい」じゃないんです。
そもそも、情報だって、給料だって、自分で取りに行かなきゃならない。
そして、まずはあなたからおかしいと思ったことを言ってみましょう。
明言せずに、態度で示す、指摘する、理由を聞く、受け入れる、話し合う。
そこを、このセリフを言うだけで甘えてしまうから、当然世界がぶくぶくと肥大化していくのではないでしょうか。

自戒を込めて。ほかる

最後までお読みいただきありがとうございます♪